近畿日本ツーリストのツアーで下田の宿の中では価格設定が最安値だったので選んだホテルですが、結果として大正解でした。
接客、食事、お風呂、どれをとっても水準以上で、オーシャンビューの客室からの眺めもなかなか良く、価格以上の満足度を与えてくれる、質の高い老舗ホテルといった感想です。
目次
黒船ホテルの創業は1963年(昭和38年)。
2013年には創業50周年を迎えた、下田でも老舗の部類に入るホテルです。
昔は豪華ホテルだったのでしょうか、エントランスホールの壁画や大きなシャンデリア、大理石の柱などにかつてのゴージャスさの一端を感じ取ることができます。
黒船ホテルのホームページでは、色々なプランから選ぶことができます。
中でも一人旅や素泊まりで露天風呂付き客室を使えるプランがあり、ほかのホテルではあまりない、露天風呂付き客室を気軽に利用できるのが魅力です。
ほかにも、素泊まりの完全セルフサービスプランでは、2名以上の利用で4770円~で利用できるなどリーズナブルに泊まることも可能です。
また、カップルにオススメな露天風呂付きスイートやペットと一緒に泊まれる平屋の離れもあり、様々なタイプの宿泊に対応しています。
黒船ホテルは、下田湾に面して建ち、客室は全室オーシャンビューです。
最も豪華な客室は、ベランダに露天風呂があり、お風呂から下田湾を一望する「露天風呂付き客室」。客室内には古代檜の香り漂う内風呂もあり、贅沢なお風呂タイムが楽しめます。
「露天風呂付き客室」の中にも「黒船スイート」「ジュニアスイート」「デザイナーズスイート」「イーストウイング」「離れ平屋」の5タイプが揃い、様々なシチュエーションに対応します。
そのほかにも棟によって「センタータワー館客室」「西館客室」「離れペット専用客室」があります。
自分たちが泊まったのは創業した1963年に建てられた西館にある「西館客室」。
部屋には風呂・バスが無く、温水洗浄トイレ / 冷蔵庫 / 金庫 / ドライヤーとシンプルな作りですが、部屋は8~10畳と広く、古い建物独特のすえた匂いもせず、料金設定が高いほかの部屋と同じ下田湾の眺めが見えるので、十分満足でした。
食事はプランごとに異なりますが、我々の夕食は金目鯛の煮付(切身)がメインの会席料理。
献立は
「座付前八寸」(里芋田楽・水引素麺・鯖寿司・花弁百合根・筍松葉・桜寄せ・蛍烏賊沖漬け・鋳込み花蓮根・明日葉と栄螺胡麻味噌和へ)
「造里」(季節の魚盛り合わせ)
「蒸し物」(桜海老茶碗蒸し)
「名物」(金目鯛煮付 笹葱田舎煮・牛蒡)
「強肴」(海鮮鍋 赤魚・帆立・渡り蟹・野菜)
「留鉢」(心太 二杯酢・ゴマ・芥子)
「飯」(白飯)
「香の物」(色々)
「止椀」(布海苔・浅葱)
「水菓子」(季節の果物)
という内容。
下田の地の海産物を使いつつ、季節感もしっかりあり、上品な味付けで美味しかった。
大浴場は内湯と露天風呂からなり、洗い場のスペースも広く、かなり快適。
ただ、露天風呂への入り口が、まるで窓から出入りするかのようになっていて、恐らく後から設置したものだと推測される。けっこう幅が狭いので、太っている人は少し難儀するはずだ。
朝風呂に行くと、男湯と女湯の入り口手前のホールでは、あら汁の無料サービスが行われていた。
これは6時から実施しているもので、杯数限定で金目鯛のアラを入れたお味噌汁がいただけるもの。
「徳造丸」で飲んだあら汁よりは少し劣るものの、魚の風味が口いっぱいに広がり、美味しくいただきました。
朝食のバイキングは、自由に色々な料理を自分で持ってくるセルフスタイル。
目の前で作ってくれる出来たての出し巻き玉子はふわふわ、干物も金目鯛や鯖みりんが揃い、そのほか、刺身や魚の練り物、めかぶ、納豆など和食を中心にしたラインナップ。
ユニークなのが伊豆独特の御飯の食べ方として、ワサビと鰹節、海苔を御飯にのせてダシ汁をかける食べ方。
ホテルは創業50年の古さを上手く隠しているが、所々に隠しきれない部分があります。
それは見る人によっては不快だろうし、レトロさを感じてプラスにとる人もいるでしょう。
自分は、「しょうがないかな」と感じる程度だったので、そこまで気にする必要はないかと思います。
安いわりに料理やお風呂が良く、細かい気配りが効いているので宿泊客も多く、人気の高いホテルだと感じられた黒船ホテル。
リゾートホテルのようにオシャレなステイという感じではないが、家族や長く付き合っている恋人、仲間たちと泊まるならかなりコスパが高い、良いホテルだと思います。
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