九州は福岡の博多ラーメンや長崎のカステラ・ちゃんぽん、そして熊本の馬刺しなど、県名をあげれば、ポンと名前があがる名物グルメが多い県。九州以外でもその美味しい名物を食べたことのある人は多いと思います。
では、それらの県に挟まれた佐賀県はどうでしょう。私は残念ながらすぐに思い浮かぶ名物がありませんでした。それでも、実際に佐賀に行ってみると色々なソウルフード、ローカルフード、B級グルメが目白押し!県内にはいろいろあって全部は食べきれませんでしたが、ここでは、自分で食べたものを紹介していこうと思います。
ちなみに、自分で食べたものは、「シシリアンライス」「むつごろう」「みつせ鶏」「佐賀ラーメン」「伊万里牛」「呼子のイカ」「波戸岬のサザエ・アワビ」「佐賀の日本酒」「ごぼう天うどん」「井出ちゃんぽん」です。
目次
昭和50年頃(1970年代)、福岡の料理店でまかない料理として出されていたものを食べていたスタッフ(お客さんかも?)が、佐賀の喫茶店で出したのが「シシリアンライス」の始まり。
そのネーミングの由来は、まかない料理として考案した田中和夫氏が気に入っていた映画「ゴッドファーザー」の舞台からつけられたとか、赤(トマト)/白(ゆで卵)/緑(野菜)の三色からイタリアを連想し、地中海の島シチリア島からつけられたという説があります。
佐賀では喫茶店やレストラン、居酒屋など色々な場所で食べられます。その数は40軒以上とも。それほど手間がかからないことから家庭料理としても親しまれています。
料理は平皿で提供され、ほかほかご飯の上の中央に盛られる肉は王道は佐賀牛、地域によってはみつせ鶏を使ったり、イノシシ肉を使ったりもします。
そしてレタスやキャベツ、トマト、玉ねぎを中心に、お店によってはレンコンやキムチ、サツマイモ、キュウリなどを加えたサラダを肉の周囲に配置して、最後にドレッシングやマヨネーズをかけてできあがり。
多くのお店ではドレッシングで味に個性を持たせているようです。
肉は柔らかくて脂身が少なくあっさりと美味しい牛サガリを使用。レタス、キャベツ、カイワレ、キュウリ、玉ねぎ、トマトのサラダとあっさりめのドレッシングで、お酒の後の締めにもぴったりなさっぱり感のある美味しさでした。
ちなみにこちらの牛肉は佐賀牛を使っているので、ご当地ブランド牛の「佐賀牛」も堪能できることになります。
■店舗情報
・店名:居酒屋こがんちゃ家(いざかやこがんちゃや)
・住所:佐賀県佐賀市堀川町2-29
・アクセス:JR佐賀駅から徒歩約20分
・営業時間:18:00~翌3:00(2:00LO)※火曜から土曜はランチ営業もあり
・定休日:不定休
・電話番号:0952-26-0650
有明海の干潟でぴょんぴょん跳ねて生活し、ちょっと間の抜けた様な表情で人気のある魚「むつごろう」。そんな、アイドル的な存在でも美味しく食べられます。
食べ方は蒲焼きや煮付け(甘露煮)、干物、刺し身などがあります。
蒲焼きは、表裏を素焼きにしたむつごろうを蒲焼き用のタレに浸して焼くという作業をなんども繰り返したもので、淡白な白身と甘辛のタレが相まって絶品に。
鮮度が高い場合は刺し身でも食べられて、コリコリとした食感で美味しいそうです。
シシリアンライスと同じく「むつごろう」もこがんちゃ家でいただきました。確か一尾420円で、ホワイトボードのメニューだったので、ある日とない日があるかもしれません。
ここでは煮干しにしたむつごうろを炭火焼きで炙ってから提供します。
おそらく蒲焼きのようにタレに漬けてから焼いているのでしょう、真っ黒く焼きあがったむつごろうは、頭からバリバリと食べられて、魚としても旨味がギュッと詰まっていて美味でした。
■店舗情報
・店名:居酒屋こがんちゃ家(いざかやこがんちゃや)
※詳細データは上記と同じ
↓有明名物のむつごろう、通販でも食べられるんですね。珍味、一度は食べてみたいです。
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フランスの優良肉用鶏ニューハンプシャー(♂)×レッドブロ(♀)を交配させて誕生したみつせ鶏。開放鶏舎の平飼いという飼育環境で育てられ、植物主体(米、麦、大豆など)の独自配合飼料を与えられた鶏は、歯ごたえの柔らかさと豊かな風味が特徴。出荷時期も、肉が一番美味しい旬である生後約80日前後と決まっています。また、出荷前約60日間という長期間の休薬期間を設けて安全性も高くなっています。
こがんちゃ家では、焼鳥のラインナップが豊富。みつせ鶏串焼きは炭火で焼かれて最高の状態で提供されます。メニューにはももむね串210円、つくね軟骨串210円、ささみわさび串210円、ささみゆず胡椒串210円、手羽先串210円、ぼんじり串210円、砂ずり串180円、レバー串180円、ハツ串180円が揃います。
特に美味しかったのはつくねと砂ずり、ハツでした。つくねはみつせ鶏という地鶏の美味しさが凝縮された味わいで軟骨の食感もアクセントになってグッドです。砂ずり、ハツの内蔵勢は食感が良く、また内蔵特有の独特な味わいでお酒が進みます。
■店舗情報
・店名:居酒屋こがんちゃ家(いざかやこがんちゃや)
※詳細データは上記と同じ
お店ではなかった調理法、山賊焼きが通販でありました。
↓味付けは水飴の甘さと豆板醤のピリ辛がミックスした甘辛醤油だれ。さらに清酒のコクも加えています。そのタレにみつせ鶏の手羽中をじっくり漬けて飴色に焼き上げたものです。お酒もご飯も、めちゃくちゃ進みそうです。
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九州のラーメンと言えば、豚骨でダシをとった豚骨ラーメンが思い浮かびます。
佐賀もやはりとんこつが主流で、旅をした感想ではラーメン屋の8~9割がとんこつラーメンな感じがします。豚の香りがプンプンと漂うスープはドロリと白濁していて、濃厚からあっさりまで幅広く揃います。
佐賀ラーメンの昔からの特色といえば、細麺と中太麺の中間ぐらいの中細麺で少し柔らかめの麺。その昔ながらの特徴を今でも残すのが佐賀駅前の「ビックワン」です。しかし、今ではほとんどの店がとんこつの主流である細麺になっています。
お店のシステム的には、食券、店員さんへのオーダー両方ともあります。卓上には、お店によって異なりますが、紅しょうが、辛子高菜、こしょう、ゴマ、にんにくなどが置かれます。
佐賀駅の北口から徒歩すぐの場所にあり、常時地元のお客さんで賑わっているのがビッグワンです。私はラーメン580円をオーダー。麺は基本だと少し柔らかめですが、固めなどのオーダーにも応えてくれます。スープはほどよい豚骨臭であっさりめ。常連さんっぽい人は生卵50円をぽとりとおとしていて、それがまた美味しそうでした。
■店舗情報
・店名:駅前ラーメン ビッグワン
・アクセス:JR佐賀駅からすぐ
・営業時間:11:00~23:00
・定休日:日曜日
・電話番号:0952-30-8212
↓お手軽ご当地ラーメンと言えば、棒ラーメンのマルタイですね。
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伊万里牛は、JA伊万里管轄内で生産・肥育される黒毛和種であり、枝肉(頭・内臓・尾・肢端を取った後の肉)の格付け2等級以上、霜降りの等級BMS(Beef Marbling Standard=ビーフ マーブリング スタンダード)がNo.2以上のものがその名を名乗れます。
伊万里では特に伊万里牛ハンバーグを出すお店が多く、九州ご当地グルメグランプリでは3年連続1位となり殿堂入りもはたしています。
チムニーは昔からあるちょっとヨーロピアンスタイルの純洋風レストラン。伊万里牛は伊万里牛ハンバーグセット、伊万里牛和風おろしハンバーグセット、伊万里牛てりやきハンバーグセットの3つでいただけます。
オーダーしたのはオーソドックスな伊万里牛ハンバーグセット1600円。スープ、サラダ、ライスorパン、ドリンクが付く軽いコーススタイルになっています。
ハンバーグはナイフを入れるとふわーっと割れるような柔らかさ。うまみたっぷりの肉汁とともにほおばると、じわじわ肉の旨味が溢れてきて、頬が緩む美味しさです。あと、サラダのドレッシングがオリジナルのネギドレッシングなんですが、それもまた絶品でした。
■店舗情報
・店名:チムニー
・住所:佐賀県伊万里市立花町3321-1
・アクセス:JR伊万里駅から徒歩8分
・営業時間:12:00~14:00 17:00~21:00
・定休日:木曜日
・電話番号:0955-23-0515
「呼子のイカ」玄界灘に面した東松浦半島にある唐津市呼子町。かつては捕鯨で栄え、今でも漁業が盛んな街で、特にイカは名物として知られます。活き造りが有名で、使われているのはケンサキイカ(呼び方はヤリイカと呼ばれることも)です。
呼子のイカと言えば、イカ一杯を使った、体が透き通った美しい姿造りが名物です。ただ、一人旅でイカを丸々一杯食べるのはちょっと飽きてしまいしんどい、でもイカは食べたい。そんな時にオススメなのが、「呼子萬坊」のイカ入り揚げシュウマイ2個300円。パリッとした外側とイカの食感でかなり美味しいです。そのほか、ファストフード的なのは、「呼子朝市」の出店のイカ入りちぎり天200円、名護屋城そばの「道の駅桃山天下市」で買えるイカたこ焼き500円などがあります。
■店舗情報
・店名:呼子萬坊 朝市通り店
・アクセス:バス停呼子から徒歩1分
・営業時間:8:00~17:00
・定休日:無休
・電話番号:0955-82-3008
↓元祖の味をお取り寄せできます。
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東松浦半島は海に面しているので当然、海産物が豊富に取れる。特に加部島はサザエやアワビの良い漁場であるとのこと。そのサザエをたっぷり食べられるのが「波戸岬サザエのつぼ焼き売店」なのです。
「波戸岬サザエのつぼ焼き売店」は、波戸岬の駐車場にあるバラックのような飲食施設。長屋のように細長い建物にコの字のカウンターがいくつもあり、各カウンターに地元のおばちゃんがいて各店とも同じ価格でサザエやアワビ、イカ、カキ(冬季限定)を提供している。サザエは一皿3個~4個でつぼ焼500円となっているが、その時の大きさによって5個で提供されることもある。自分の時はそれほど小さくないのに5個でかなり幸せな気分。あわびはこぶりなものでしたが、クニクニと柔らかい食感でこれまた美味。アワビは大きさによって時価とのことでした。
■店舗情報
・店名:波戸岬サザエのつぼ焼き売店
・アクセス:バス停波戸岬からすぐ
・営業時間:9:00~18:00(3月中旬~10月)、9:30~17:00(11月~3月中旬)
・定休日:無休
・電話番号:0955-82-5972
関東人からすると九州にあまり「うどん」のイメージはありませんが、実は結構名店があったりするのです。私が食べたのは、2食だけだったのですが、2回とも「ごぼう天うどん」をオーダー、これが美味しかったー
「中央軒」は九州で初めて立ち食いうどんを提供し始めた、鳥栖駅にある駅うどん屋。ごぼうはぶっといのが何本も入っていて、ゴリゴリ、ボリボリっという食感でたまらなく美味です。うどんとつゆはふつーの駅うどんといったかんじなんですが、ごぼう天だけを食べに行っても絶対損はしないと思います。ちなみに、駅の改札横とホームで計4店舗あるのですが、5・6番ホームが一番美味しいとされています。
■店舗情報
・店名:中央軒
・住所:佐賀県鳥栖市京町709
・アクセス:JR鳥栖駅構内
・営業時間:7:00~21:00(5・6番ホーム)、7:00~19:00(改札口横)、11:00~18:30(1・2番ホーム)、11:00~18:00(3・4番ホーム)
・定休日:無休
・電話番号:0942-82-3166
また、「牧のうどん」は福岡発祥のチェーン店なんですが、こちらはうどんとつゆが絶品。ごぼう天の迫力は「中央軒」に劣るので、「中央軒」のごぼう天と「牧のうどん」のうどん・つゆが合わさったら最強なのになーって思いながら食べていました。
■店舗情報
・店名:牧のうどん 鳥栖天
・アクセス:JR新鳥栖駅から徒歩20分
・営業時間:10:00~23:00
・定休日:第三水曜日不定
・電話番号:0942-84-5411
佐賀県武雄市北方町で創業60年を誇る「井手ちゃんぽん」。炒めた野菜をあっさりめのとんこつスープを加え少し煮るので、スープから野菜の甘みを感じられます。麺の上にどっさり盛られた野菜と麺を食べると、とんこつの旨味と共にいただけて幸せになる美味しさです。
元祖の「井出ちゃんぽん」は佐賀県武雄市にあり、また、二代目の店主の姉が伊万里に開店した「伊万里ちゃんぽん」もあります。そして、第3の「井出ちゃんぽん」とも呼ぶべき展開をしているのがチェーン展開する「北方 井出ちゃんぽん」なのです。
どこも基本的なメニューは一緒で、ちゃんぽん、きくらげがたっぷりはいる特製ちゃんぽん、そして丼物のカツ丼となっています。
私はきくらげ大好きなので特製ちゃんぽん880円をオーダー。特製はたっぷりの野菜ときくらげを卵でとじるという豪華仕様なのでかなり量的にも味的にも満足できます。
■店舗情報
・店名:北方 井出ちゃんぽん ファイヤー諸富店
・アクセス:バス停野町から徒歩4分
・営業時間:11:00~21:00オーダーストップ
・定休日:月曜日(祭日を除く)
・電話番号:0952-47-2505
九州のお酒というと焼酎が真っ先に浮かびますが、佐賀は日本酒づくりも盛んな土地柄です。有明海に面した佐賀平野は肥沃で米作りに適し、脊振山や太良山系の豊富な伏流水も日本酒づくりには欠かせません。
人気の銘柄は、「鍋島」を筆頭に「東一」「七田」「天吹」「能古見」「天山」「東鶴」「肥前蔵心」「岩の蔵」「万齢」などが揃います。
「こがんちゃ家」では佐賀の日本酒と言えば、というブランド「鍋島」をいただきました。まったりとコクの有る口当たりでけっこうな甘口。ただ、甘口は普段飲まない私でもクイクイいける美味しさでした。
そして、「ゲストハウス葉隠」では1階がバースペース「SAKE Bar」になっているので、そこで「岩の蔵」をチョイス。こちらはスッキリ淡麗な辛口で、香りもスーッと鼻に抜ける感じで清涼感があり、私はこっちのほうが好きだなーって思いながら、気持ちよく酔うことができました。
■店舗情報
・店名:ゲストハウス葉隠
・住所:佐賀県佐賀市神野東2-4-12
・アクセス:JR佐賀駅から徒歩5分
・営業時間:21:00~23:00(22:30LO)
・定休日:無休
・電話番号:0952-97-7384
以上が私が佐賀で食べた、ソウルフード、ローカルフード、B級グルメです。
定番からちょっとマニアックなものまで、色々と食べることが出来ました。
また、上記以外にも、和菓子の「けえらん(けいらん)」「逸口香」、有明海でとれる「佐賀のり」、佐賀県産のビーフパテを使った「からつバーガー」、嬉野温泉の温泉水を使った「温泉湯豆腐」、牛骨スープにしょうががきいた「たろめん」、外側のシャリシャリ感が美味しい「小城羊羹」、生きたままの鮒を昆布で巻いて、大根やレンコンなどの野菜と一緒に味噌や水飴などで長時間煮込む「ふなんこぐい」、小城市の食材を使ったまぜ麺の「マジェンバ」などがあり、次回、佐賀を訪れる際は必ずいただこうと決めています。