唐津市の本町界隈は、かつて唐津炭田の隆盛で賑わった唐津の中心地です。そこに構える「竹屋」さんは、江戸時代は刀研ぎと漆工、廃刀令以後は料理店に変わったというお店です。
料理店になった後は、地元松浦川で獲れたうなぎが好評となり、明治10年頃からうなぎ料理専門店になります。
現在の建物は、1923年(大正12年)に建てられたもので、趣のある建物内でうなぎ料理が食べられます。
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大正時代に建てられたお店は、当時は珍しい木造三階建て。まわりに高い建物が少なかった当時は、3階の部屋から海も見えたそうです。
建物としての見所は、階段手すりや客室の欄間、床棚の凝った意匠。また、床材の一部に使われているみちのく桜や黒松の大板などとなっています。
その貴重さから佐賀県遺産、そして国の登録有形文化財に指定されています。
訪問時は、うなぎ丼と肝吸、お漬物がセットになった「うなぎ丼 肝吸付」の並2460円をオーダーしました。
10分ぐらいで着丼したうなぎは身がふっくらと焼きあがっています。関東では焼いた後に蒸すのでふっくらとした食感になりますが、関西では蒸さない「地焼」です。それでもこのふっくら感が出るのは、焼き方にコツがあるのでしょうか。それともうなぎの素材が良いのでしょうか。
あと、皮がプリプリッと厚いと感じました。これは焼きすぎずにパリッとさせず、皮そのものの食感を残した感じ。その皮がまた美味しくて、幸せな気分になってしまいます。
タレは甘さもしょっぱさもほどよい感じです。ごはんもまんべんなくうっすらとタレの茶色がついているので、ハケかなんかで塗っているのかもです。
肝吸いは、うなぎの焼き方のように関東と関西で差があるようなものではありません。基本的に全国どこでも、うなぎの内臓(実は肝=肝臓ではなく、胃などの内臓)を入れたお吸い物です。
竹屋さんの肝吸いはあっさりとした味付けでした。肝の処理が丁寧でくさみや苦味は全くありません。
あと、肝のコリコリ感が少ないと感じましたが、これはその時の素材によって異なるかもしれません。
うなぎは丼と定食で楽しめます。焼き方には違いはありませんが、提供の方法が違って、丼はごはんの上にタレとともに焼いたうなぎがのせられます。定食は、蒲焼きとご飯が別になったスタイルです。
■店舗情報
・店名:竹屋
・住所:佐賀県唐津市中町1884-2
・アクセス:JR唐津駅から徒歩7分
・営業時間:11:30~19:00(日祝は~18:30)
・定休日:水曜
・電話番号:0955-73-3244
・駐車場:なし(近隣の有料駐車場利用)