津軽海峡と北海道の大自然というローカル線の魅力がつまった道南いさりび鉄道の旅

戊辰戦争・函館戦争で知られる五稜郭最寄りの函館市の五稜郭駅から、人口4000人ほどの小さな自治体・木古内町(きこないちょう)の木古内駅までの37.8 kmを結ぶローカル線が道南いさりび鉄道です。

電車は主に海沿いを走り、車窓から見る函館山の勇姿や津軽海峡の荒波は迫力ある景色です。私は、函館から渡島当別(おしまとうべつ)まで乗ってきたので、レポートしたいと思います。

路線図・駅情報。公式より

道南いさりび鉄道の歴史

この第三セクター方式の鉄道会社は2014年に北海道道南地域並行在来線準備株式会社として設立されたばかりの若い会社です。電車を走らせるために新しく線路をひいたわけではなく、北海道新幹線の新青森駅-新函館北斗駅間が開業するのにあたり、JR北海道から江差線の五稜郭駅-木古内駅間が経営分離されたものになります。

2015年1月1日には道南いさりび鉄道株式会社に名称を変更し、北海道新幹線の新青森駅 – 新函館北斗駅開業と同日の2016年3月26日に開業しました(木古内駅―江差駅間は廃止)。

新幹線が新たに通ると、並行在来線の収益は下がるためJRとしては廃止したくなります。その場合、地元の足として残したい地域住民などの要望を通す形で、国や地方公共団体と民間の共同出資による第三セクターという形がとられます。

北陸新幹線(長野新幹線)開業によるしなの鉄道(軽井沢駅~篠ノ井駅間)、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道の誕生、東北新幹線開業によるIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道の開業、九州新幹線開業による肥薩おれんじ鉄道誕生といった例が全国で発生しています。

ただ、この形式、必ず赤字という問題がつきまといます。新幹線と並行して走る在来線なので収益性が以前より下がるのは当然です。道南いさりび鉄道も赤字体質になっており、経営改善が求められています。

電車は函館駅から乗れる。乗る時は駅弁の購入がおすすめ

道南いさりび鉄道の東の起点は五稜郭駅ですが、電車は五稜郭駅からJR函館本線に乗り入れる形で函館駅まで来ています。五稜郭止まりって電車はないので、実質、函館―木古内駅を結ぶ路線となります。

函館駅は5代目の駅舎が2003年にオープンしたばかりの新しい駅です。お店などが入る駅ナカエリアやコンコースはとても綺麗です。

しかし、道南いさりび鉄道は間借りしている立場だからでしょうか、すごく小さい券売機が改札に向かって左手にぽつんと置かれていました。

右がJRの券売機、肝心の道南いさりび鉄道の券売機は左で見切れてます、すいません
函館駅で函館~渡島当別駅までを買いましたが、切符には道南いさりび鉄道の起点駅の五稜郭駅が記載されます

そしてそのそばには駅弁を売るお店があり、函館駅一番人気の鰊みがき弁当を買うことができました。

真ん中の小さなブースが函館駅一番人気の駅弁「鰊みがき弁当」を買える駅弁の函館みかど

その後、ホームに入って既に入線していた1両編成の電車へ。席はそこそこ空いていて、余裕で座れました。

函館駅のコンコースすごく綺麗。発車番線は2番線でした
平日、10時40分発の電車に32分に乗車。車内は自分含め15人ぐらいの乗客

函館から渡島当別までの車窓、そして折り返し

函館駅を出た電車は左手に車両基地を見ながら市街地を進みます。沿線は住宅地が並びます。そして五稜郭、七重浜、東久根別、久根別と通り、上磯を過ぎたあたりから森深く山がちな地形になってきます。そして津軽海峡もがっつり見えます。

函館駅の車両基地には道南いさりび鉄道の車両が停車中。観光列車の「ながまれ号」もいました
4月末でも町中に除雪した雪山がこんもり残っています
川が流れていたり
森のなかに残雪を見たり
そして海。天候が悪く寒々しい景色に
電車の窓に貼ってあるステッカー。この景色を見るためにも、函館から乗る場合は必ず進行方向に向かって左の席に座ることをおすすめします
車窓はいまいちでしたが、駅弁は美味しい
何回かトンネルに入ることも

私は途中駅の渡島当別駅で途中下車してしまいましたが、その先も海の眺望が望めます。

日程に余裕があるなら天気の良い日をおすすめします

あと、沿線の名所は釜谷駅~泉沢駅間にあるサラキ岬や木古内駅から江差線の線路を使って運行している道南トロッコ鉄道(4月下旬から11月上旬までの毎週末と祝日・夏休み期間中などに運行)などがあります。

帰り(復路)渡島当別駅から五稜郭駅まで乗った時は、途中から学生が乗ってきて結構賑やかな車内になりました。立っている人も少しいました。

また、夜、海をみれば会社名の元になったイカ釣り船の漁火(いさりび)も見えるそうです。

道南いさりび鉄道の車両、車内マナー

走っている電車はJR北海道から機関換装と特別保全工事施工済みのキハ40形1700番台気動車です。

函館駅から乗った車両

私が乗った電車は濃い赤茶に黄色のラインが入った電車でしたが、他に黄色に青ライン、濃緑、白地に濃赤ライン、ブルートレインのような青の観光列車「ながまれ海峡号」などがあります。

帰りの車内から撮った車両

車内は向かい合って座るボックスシートがメインにロングシートも少しあります。乗っている人がいない状態では、1ボックス1組が基本で、多くのボックスが一人のお客さんで占められていました。足を伸ばして乗るのも、ちょっとマナー違反のように思えますがここではデフォのようです。

ボックスシート
ロングシート
みなさん足を伸ばしてリラックス
往路の車両は4人がけのボックスでしたが、帰りの車両は4人がけボックスと2人がけボックスという座席配置でした

道南いさりび鉄道の乗り方

電車はワンマン運転です、函館駅から乗る時は、函館駅で切符を買い、途中駅で降りる時に運転手さんに切符を渡しました。渡島当別駅には駅員さんはいませんでした。

帰り、無人駅の渡島当別駅から乗った際は切符は買っていません、途中乗車の場合は整理券を取りましょう。そして運賃表示を参考に料金箱に運賃を投入する方式です。

私は運賃箱で対応していない1万円しかもっていなかったので、乗り換えの五稜郭駅で支払いをスルーして、五稜郭駅のお隣の桔梗駅で降りた際に清算しました。

オレンジのボックスが整理券の発券機
料金を投入する運賃箱。紙幣の両替は1000円まででした、2000円・5000円・1万円の両替は運転手さんでは非対応なので、駅で駅員さんに支払う必要があります。

まとめ

以上が私の道南いさりび鉄道の旅です。
途中下車でしたが、しっかりローカル線の風情や魅力をしっかり堪能することができました。
鉄道ファンなら函館から木古内駅まで乗り、そこで北海道新幹線に乗り換えて、新函館北斗駅や新青森駅まで北海道新幹線に乗るのも良いですね。

ボックスシートは駅弁を食べたり、軽くビールを飲んだり、わりと車内は自由な雰囲気なので、それぞれ自分の思い通りに過ごせるのも魅力だと思います。

あとは道南いさりび鉄道と海と函館山を撮れる撮影地(渡島当別 – 釜谷なんかが有名みたいです)で撮り鉄するのもいいですね。