鳥栖でレンタサイクルを借りて神社巡りや九州最古の立ち食いうどん(佐賀旅行六日目)

佐賀の旅も六日目(2017年5月29日月曜)。今日は佐賀から鳥栖へ移動して、鳥栖をレンタサイクルで観光する予定。鳥栖では神社を巡ったり、ラーメン、うどんを食べて地元グルメを満喫するつもりだ。

事前にレンタサイクルを借りる鳥栖市観光案内所に電話して聞いてみたら、行く予定の神社は結構のぼりがきつくてレンタサイクルはオススメしないとのこと、さてどうなるか楽しみだ。

鳥栖観光マップ

目次

朝食はバイキングでテンションアップ

朝はサガシティホテルの食事処で朝食が食べられる。今回の旅で唯一の朝食付きの宿だ。カプセルなので、いびきがでかい人が居るときついが(昨晩あまりよく寝られなかった)、それさえなければ、佐賀の安宿では一番よいコストパフォーマンスだと思う。朝食バイキングは、手の込んだ物はなく、簡素なものだったが、ご飯、味噌汁、生卵、青菜、炒め物、焼き魚、お漬物、豆腐、ウインナー、コーヒーゼリーと言った内容で、朝食としては十分満足いくものだった。

普段は朝食食べないのに、バイキングだと俄然食欲が出る不思議

ロッテリアに移動して少しだけお仕事

朝食に満足して、10時のチェックアウトまでに少し仕事をこなし、チェックアウト後はコンセントのある佐賀駅のロッテリアに移動して11時半ぐらいまで仕事をする。その後、鳥栖観光の間に荷物を預かってもらうべく、本日の宿、「ゲストハウス葉隠」に行って、荷物を預かってもらう。

ここのロッテリアはコンセントも多くて良い

JR長崎本線に乗って新鳥栖へ

電車は12時19分発のに乗る予定だったが、11時45分発の鳥栖行きに乗ることができた。時間繰り上げで鳥栖での観光時間が増える、これは幸先が良い。佐賀駅から吉野ケ里公園駅までは二日目に吉野ヶ里遺跡に行った時に体験済み、4日振りに見る景色は変化があるわけではないが、二度目だと、周りを見る余裕がでる。

吉野ケ里公園駅の神埼駅にも駅前に卑弥呼のような古代人の銅像があって(実際卑弥呼像だそうだ)、ここからでも吉野ケ里公園にアクセスできるのがわかった。佐賀-吉野ケ里公園だと往復で560円、佐賀-神埼だと往復で460円、一駅しか違わないのに、往復すると100円の差がでる。旅行で経費を徹底的に削りたい人は、手前の神埼駅で下りることをおすすめする。

先日は気が付かなかった銅像。吉野ケ里遺跡に向かって指を指す卑弥呼像

目的の新鳥栖駅は吉野ケ里公園駅から3つめなので、わりとすぐ。佐賀駅からでも27分で着ける、近場の観光地だ。駅は九州新幹線と直角に交わる乗り換え駅として2011年にできたばかりの新しい駅。外観は鳥の翼を思わせるカーブが美しく、構内も綺麗だ。そして東側には住宅地が広がるが、西側はまだこれからってかんじののどかな雰囲気を残している。

開けた場所に鳥モチーフの駅舎が建つ

あと、改札外からもホームからも入れる立ち食いうどんのお店「中央軒」があった。「中央軒」は本日の目的の一つで、本店となる鳥栖駅にある「中央軒」は、日本で初めて「かしわめし」(刻んだ鶏肉をのせたお弁当)の販売を開始し、また、九州で初めて立ち食いうどんの営業を始めたのも「中央軒」だ。まぁここは支店なので、できれば創業の地で食べたいと思い、ここはスルーする。

こぢんまりとした中央軒

レンタサイクルは、新鳥栖駅の在来線改札を出て右手にある「新鳥栖駅観光案内所」で借りられる。ここは鳥栖関連のパンフレットが豊富にあり、地元土産も取り扱う、総合観光案内所。スタッフさんの対応もよく、レンタサイクルは1日200円と格安だ。

とてもよい観光案内所

レンタサイクルで回る鳥栖の旅スタート

さて、自転車をかってさっそく観光に出かけたいところだが、実はスマホの充電ケーブルが調子が悪く、充電できたりできなかったりを繰り返している。旅でスマホは場所の確認や周辺観光施設探しなど、必需品なので、100円ショップでLightningケーブルを買うことにする。幸い、駅から約800mの場所に「ダイソー鳥栖蔵上店」があり、そこでケーブルを2本買うことができた。あと、ここで買った豆乳抹茶ラテかなんかが美味しかった。

充電もできるようになったので、最初の目的地「四阿屋神社」へと向かう。観光案内所の人の話では、行きは上りが結構きついらしい。逆に言えば、ここさえクリアしてしまえば、あとは下りと平坦な市街地サイクリングなので、ラクラクなはずだ。

12時50分ぐらいにサイクリングスタート。途中、川の水の綺麗さに驚いたり、走る九州新幹線の姿を撮影したりする。ココらへんもゆるい上りが続くがまだ大丈夫、サイクリングは楽しく順調に進む。

九州新幹線かっこいい。流し撮りとかできたらもっといい写真になるだろな

しかし、その後、ゆるーく長い坂を下った後の上り坂がきつかった。こいで上るのは無理で、自転車を下りて押していく羽目に。そして坂を上りきって、長崎自動車道をまたぐ橋を渡るとまた少しの下りで小さな集落に入る。集落を抜けて200mちょっとの上り坂をダンシングで上っていくと、右折して橋を渡り、また小さな集落を抜けると「四阿屋神社」の境内に到着する。到着は13時20分ぐらいなので、30分ぐらいのそこまできつくないサイクリングだ。

一番の急坂だけは自転車を押して歩く

あの山へと上っていくのかと少し不安なときもあった

癒やしの神社「四阿屋神社」

ここは、神社の境内を渓流が流れ、参道も渓流の中を通っている珍しい神社。ダイレクトに本殿前の境内に来てしまったので、まずは本殿でお参りしてから散策することにする。河内川は本殿の正面に向かって平行に流れていて、途中に堰があって小さな滝が落ちている。深さは脛から膝ぐらいまでしか無く、澄んだ水は水遊びにはもってこいに見える。実際、夏になればここは、四阿屋遊泳場となって水遊びする子供たちの嬌声が響くという。5月の今では水はひんやりと冷たいが、素足で川の中を歩いても冷たさでしばれるようなことはなく、入ろうと思えば入れる冷たさだった。

本殿

川の中にある参道

あと、このあたりは戦国時代に周辺に勢力をもった筑紫氏の本拠地があった場所。本城の勝尾城を始めとして、若山砦、高取城、葛籠城、鬼ケ城、鏡城の跡が残り、それぞれ、主郭部や石垣、堀跡、屋敷の出入り口跡などの史跡が残っている。それらを見て回るには、かなり高低差があるので、自転車では辛いが、時間に余裕があったり、自動車で来ているなら、歴史巡りも楽しそうだ。

色鮮やかな緑と清流のせせらぎ、清冽な冷たさの水など自然にたっぷり癒やされた後は、ランチタイム。東の市街地へ行ったところに、濃厚で知られる博多ラーメンの「恵比寿」というお店があるので、楽しみにして自転車をこぐ。山の麓にある四阿屋神社から市街地へはゆるい下り坂で、気分良くお店へ。

行きたいお店に行けないランチ

そしてウキウキでお店に到着すると、なんとやっていない……。んーまじか、食べログでは11時~23時の通し営業となっているが、休みが不定休になっているから、その不定休の日に当たってしまったかー んーかなり楽しみだっただけに、口惜しいが、やっていないなら仕方ない。ここは、下調べで候補に上がっていたうどんの名店「とす麺之介」に行くとしよう。

恵比寿はおやすみ

そして自転車をこぐこと15分、「とす麺之介」に到着すると「完売の為 本日の営業は終了しました」との張り紙。久しぶりに絶望感を味わった、鳥栖に神様なんていなかった。

とす麺之介はめんが売切れ

失意の神社と驚愕の旨さのごぼう

暗く沈んだ気分で、予定にあった「田代八坂神社」へ行き、なんとなく境内をみてから、かつての宿場町田代宿の跡を抜けて、鳥栖駅へと向かった。

暗い気分で散策

鳥栖駅のお目当ては、「中央軒」。ここはホームに九州初の立ち食いうどんを出した店があり、なかでもなぜか6番ホームのお店が人気という。駅の近くの駐輪場に自転車を停めて、久しぶりに駅に入るための入場券を切符で買って、改札を通る。

鳥栖駅はレトロな外観も良い

鳥栖駅は、改札はホーム中央部分にあって、各ホームへは左右からの地下道を通って行くという形状。6番ホームは改札からは一番遠いホームであった。お店は、ホームの少し南寄りにあった。年配のおかあさんが一人で切り盛りしている店は、ホームにある露店で、中にはいることはできず、椅子もない完全なる立ち食いスタイルだった。

おかあさんにオススメを聞くと、「ごぼう天うどん」とのこと、あれ、日本で初めて「かしわめし」の販売を開始した店だから、同じかしわ(鶏の細切り肉の甘辛煮)が入った「かしわうどん」が名物だと思っていたが、違うのだろうか。でも、おすすめと言われれば、食べないわけにはいかない、「ごぼう天うどん」450円をオーダーする。実は自分はごぼうがそんなに好きではないのだが、このごぼう天はメチャウマだった。ここまで、2軒にフラレてきたのが強烈なフリだったかのごとく、ごぼう天は美味しかった。

ごぼう天うどん

また、食べている時にやってきた特急は先頭車両が丸っこくて可愛く、白いボディも美しい「特急かもめ」だった。初めてみるその姿に、うどんを忘れて写真を撮ってしまった。なんだろう、新幹線を丸くしたって感じで凄く良い。今度はあれで九州電車旅をするのも楽しそうだ。

前面ガラスの下の青もいーアクセント

あと、なぜ6番ホームのお店が特に美味しいという説がでたかについては、おかあさんが教えてくれた。この6番ホームは主に特急が止まるホーム。県内外へと移動する人が多く、電車に乗る前、そして乗った後にホームで美味しいうどんを食べて、色々なところでその美味しさを宣伝してくれたから自然と6番ホームが一番美味しいということになったとのことだ。

うどんのあとは史跡を見てまたうどん

うどんと撮り鉄を満喫した後は、長崎街道の宿場町・轟木宿があった場所へ進む。そこには菅原道真ゆかりの史跡がある。この辺の市街地は車通りはそこそこあるものの、平坦で走りやすい道だ。やがて長崎本線と住宅街に囲まれた場所に、数本の木々に囲まれた緑地が現れた。ここは、菅原道真が養子にやった自分の子供に会いに行く道中、腰を下ろした「腰掛の石」と自分の顔を写して絵を描いたという「姿見の池」が残っている。菅原道真が大宰府に流されたのは901年なので、1000年以上も昔の池が逸話とともにぽつんと残っていることに歴史ロマンを感じた。あと、菅原道真は幽閉じゃなくて、ある程度の自由があったんだなと、教科書で想像していた流刑とは少し違うのかもという感想を持った。

人が2~3人はいったらいっぱいになりそうな小さな池

そこからは、轟木宿を通り、「日子神社」を軽く参拝し、佐賀へ帰るために新鳥栖駅へと向かう。Googleマップを見ていると「牧のうどん 鳥栖店」というお店が目に入る。さっき美味しいうどんを食べて、うどんモードになっているので、ここはもう一軒行っておこうとお店を目指すことに。

街道沿いにある「牧のうどん 鳥栖店」は座敷とテーブル、カウンターがある大きなお店だった。中途半端な時間なので、お客さんは先客1名だけ。そしてさっきの味と食べ比べたいので、「ごぼう天うどん」410円をオーダーする。味的にはこちらの方が美味しかったが、うどんの量が多く、食べきるのに苦労した。

牧のうどんはつゆとうどんが美味しい

自転車を返却して佐賀に帰る

そっからは重たいお腹をひきずるようになんとか新鳥栖駅までこぎきり、自転車を返却して電車を待つ。そこに「特急みどり」がやってきたので、近いけど特急乗っちゃえと乗ることにする。だって、これをスルーすると次の電車まで20分もまたなきゃいけないし。電車は混んでいて、自由席はぎりぎり1つ空いている席を見つけられてよかった。1日自転車を漕ぎ続けていたので、座って休める電車は快適だ。

特急みどり

「ゲストハウス葉隠」でひと休み

佐賀についたら宿の「ゲストハウス葉隠」にチェックイン。ここは1階が佐賀の日本酒を集めたSAKEバーとコミュニティースペース、2階にドミトリーという構成。古い家をリノベーションして2017年春に開業したもので、新しくて綺麗だった。

男女混合ドミトリー

宿でしばらく今日の疲れを癒やし、お腹を減らしてから夜になって食事をしに出ることにする。その前に、宿のFacebookでいいねをしたらお酒一杯無料というキャンペーンをやっていたので、佐賀の日本酒「岩の蔵」をいただいてから出発する。

本日の締めはとんこつラーメンの「かどやらーめん食道」

佐賀駅前には人がいっぱい入っているジンギスカンのお店「羊肉酒場 悟大 佐賀駅前店」があって、かなり興味をそそられたが、一人で入る感じじゃなかったので断念。いつものようにラーメン屋を探し、「かどやらーめん食道」に入店する。ここではマー油が入る白ラーメンをオーダーしたが、これがかなり美味しかった。

マー油のコクが美味い

 

今日は、2軒の食事処ですっぽかしをくらったが、美味しいうどん、ラーメンに出会うことができた素晴らしい一日となった。鳥栖では見所がまとまっているのでレンタサイクルで余裕だし、「四阿屋神社」の気持ちの良さはかなりポイントが高い。旅も終盤になって良い1日が過ごせて、満足して眠りについた。