吉野ケ里遺跡の後に行くとより楽しい佐賀県立博物館・佐賀県立美術館

かつて佐賀城があったお堀の内側にある佐賀県立博物館・佐賀県立美術館。2つは隣なって建てられていて、行けば佐賀県の歴史と文化についての展示と佐賀にゆかりのある美術の両方を見ることができます。

私が個人的に気に入ったのは佐賀県立博物館の方で、吉野ケ里遺跡を見た後でここを訪れると、本物を見られるという興奮を味わえます。

また、常設展は無料で見られるので、気軽に行けるという点でも色々な場所を訪れたい旅行者にはありがたいスポットです。

博物館外観。右奥が美術館

吉野ケ里遺跡ではレプリカだったが、本物のガラス製管玉が見られる

佐賀県立博物館は、昭和45年に明治百年記念事業として開館した、地上3階建ての博物館。自然史、考古、歴史、美術、工芸、民俗の各分野にわたり、収集してきた資料を調査・研究し展示しています。

私のお目当ては、博物館3階2号展示室の「佐賀県の歴史と文化/原始・古代~中世」エリア。ここには、吉野ヶ里遺跡から出土した重要文化財のガラス製管玉と有柄細形銅剣の本物が展示されています。

本物のガラス管玉と有柄細形銅剣

吉野ヶ里遺跡の北墳丘墓ではガラス管玉が展示してありましたが、スタッフさんに聞くとレプリカとのこと。がっかりして本物がどこにあるのか聞くと佐賀県立博物館にあるというので急いでやってきたのです。

吉野ヶ里遺跡の北墳丘墓に展示されてあるレプリカ

ガラス製管玉は、王族が葬られていた北墳丘墓の甕棺下甕のほぼ中央の底部寄りの部分から見つかったものです。中国の東北地方や韓国の王墓級の遺跡からも同様のガラス管玉が発掘されているが、どこも1~8個となっていて、北墳丘墓で見つかった79個という数は驚異的だそうです。

これは、弥生時代は圧倒的に進んでいた中国や韓国の偉い人よりも立派な副葬品を祀ることのできた人物が日本にもいたことを示していて、本当に興味深い一品です。

卑弥呼のような偉くて賢い女帝が、ガラス管玉を胸飾りや頭飾りとして付けていたかと思うと、その美しさは格別だったでしょう。そりゃあ臣下の者も「卑弥呼サマー」と崇めたことでしょう。(勝手な想像とハイキングウォーキングが混ざってます)

ガラス製管玉の原料は、中国湖南省長沙産と推定されていて、巻抜き技法で作られたもの。殆どのものは鮮やかなコバルトブルーですが、一部には風化により白色の螺旋状模様がつくものもあります。原料はわかっていますが、作られた場所は不明という、わからないから面白い、古代ロマンの詰まった一品です。

有柄細形銅剣は王者の剣の風格

また、ガラス管玉と一緒に出土した有柄細形銅剣は国内4例目の出土品です。銅剣は通常、握る柄は木で作られていますが、これは柄まで銅でできている貴重なもの。これは、吉野ケ里遺跡が発見された当時、報道陣の目の前で出土するというタイミングの良さを持った奇跡の剣でもあります。

大きく広がった鍔の部分は実戦的ではなく、実際には戦いには使われない儀礼的、象徴的な剣であることを表し、王の剣としての威厳を感じられます。

これは吉野ヶ里遺跡の北墳丘墓のレプリカ。綺麗すぎてロマンを感じない

そのほかにも、重要文化財の細形銅剣(吉野ヶ里遺跡)や小型仿製鏡、佐賀県重要文化財の連弧文「昭明」銘鏡、三環鈴などが展示されています。

細形銅剣

連弧文「昭明」銘鏡など

博物館3階2号展示室の概要

博物館3階2号展示室イメージ

この博物館3階2号展示室では、縄文時代や弥生時代を紹介する「文明のおこりと佐賀」のほかにも、古墳時代や肥前国が形成された「古代国家への歩み」、荘園ができて武士が台頭し中世から近世へと発展する「肥前国と武士団」、徳川幕府が成立して佐賀藩としての藩校と私塾や幕末維新の激動までを扱う「佐賀藩と近世社会」、廃藩から佐賀県設置と近代化までの「近代の佐賀」に分けて展示が行われています。

信長の野望をやったことのある人なら誰でも知ってる、武力の高い龍造寺隆信

そのジャンルは考古・歴史・美術・工芸と幅広く、佐賀に興味がなくても結構楽しめます。

おちゃめなポーズの誕生仏(佐賀県重要文化財)

ちなみに、縄文・弥生体験コーナーでは「縄文土器の文様づくり」「弥生土器の立体復元パズル」「銅鐸の音色を聴く」などの体験ができるのですが、若い女性が一心不乱に「弥生土器の立体復元パズル」に取り組む姿が印象的でした。

有明海のエイリアン・ワラスボが見られる博物館2階1号展示室

2階は中二階のようなスペースで3階よりもぐっと狭い場所です。ここでは常設展示「佐賀県の歴史と文化/自然史」が見られます。

大きく「地質」と「生物」に分かれていて、面白いのは「生物」です。

なにせその見た目から有明海のエイリアンと恐れられるワラスボの生きた姿が見られます。

けっこうエグい見た目です

ワラスボはハゼ科の魚で細長いうなぎのような魚です。

エイリアンなのは顔。極小の目と突き出た口からのぞく気持ちの悪い歯でエイリアンと呼ばれるのも納得です。

せっかくウーパールーパーのようなカワイイヒレがついているのに、顔のせいでそれも気色悪い攻撃のための器官に見えます。結局人も魚も顔が全てだと悟らされるかわいそうな魚です。

ちなみに佐賀ではこのエイリアンを干物などにして食べるそうですよ、おぉこわ。

また、ほかにも、5~6億年も前からほとんど姿を変えていない「地球最古の生きている化石」オオシャミセンガイやヨコヤマオウムガイ化石の複製、カブトガニの剥製なんかも展示しています。

カブトガニは伊万里のカブトガニの館で生体が見られます

美術館はあまりピンとこないラインナップ

美術館は1階と2階部分だけを使用しています。1階の2・3・4号展示室では企画展をやっているようです。

2階の画廊部分で市民が描いた絵の展覧会をやっていましたが、照明が暗くてなんかよどんだ感じの空気で楽しく絵を見る雰囲気ではなく、早々に退散しました。

 

佐賀県立博物館と佐賀県立美術館ではだんぜん博物館がおすすめです。

吉野ヶ里遺跡に行った帰りに行けば、出土したガラス管玉と有柄細形銅剣の本物も見れて感動を上書きできます。

生きたワラスボもみれるし大満足の博物館でした。

 

■施設情報

・名称:佐賀県立博物館・佐賀県立美術館

・料金:無料(企画展は別途有料)

・住所:佐賀県佐賀市城内1-15-23

・アクセス:JR駅から徒歩

・営業時間:9:30~18:00

・定休日:月曜(祝日の場合はその翌平日)、12月29日~31日。その他燻蒸期間及び県展準備期間の休業あり

・電話番号:

・駐車場:無料114台