世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。12の遺産を巡る旅をプランニング 【5日目 無人の野崎島に渡ってかつての信仰の証を見る】

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産を巡る旅の5日目です(五島列島では3日目)。
ほぼ無人島の野崎島に行き、誰もいない集落を巡ったり、段々畑に建つ象徴的な教会を見たり、ツアーで集落や神社を見たりします。

五島列島北部マップ

【目次】

5日目 朝から島に渡り1日かけて無人の野崎島見学

野崎島マップ

「8野崎島(のざきじま)」への船は小値賀港から出港する小値賀町営船「はまゆう」の1日2便だけです。なので基本的に朝の便で小値賀島(おぢかじま)から野崎島へ向かい、昼過ぎの便で野崎島から小値賀島に帰ってくることになります。
時刻表は

小値賀 7:25発→野崎島 8:00着
野崎島 15:10発→小値賀 15:30着

です。料金は片道500円です。(往復1000円)。

「8野崎島」についてですが、潜伏キリシタン維持拡大期に「沖ノ神嶋神社神官屋敷跡」「潜伏キリシタンの墓地」「潜伏キリシタンの指導者屋敷跡」「沖ノ神嶋神社」などがなりたちました。そして1世紀近い時を経て、潜伏キリシタンの変容・終わり期の19世紀後半に「初代野首教会堂跡」「瀬戸脇会跡」が建てられました。現在、かつての島民は全て他の地に移住し、簡易宿泊施設・休憩施設「野崎島自然学塾村」(野首集落)の管理者のみが住人という、ほぼ無人の島です。

島は南北約6.5kmの縦長で、最北の「沖ノ神嶋神社」から最南の「舟森集落跡」まで直線距離で約5.5kmです。船は島の中ほどの野崎集落跡にある野崎港に着きます。

野崎集落

島の中央部の見所は港がある野崎集落とその西側にある野首集落です。野崎集落には代々の神官が暮らした「沖ノ神嶋神社神官屋敷跡」、野崎集落を見渡す「野崎集落跡ビューポイント」があります。人が暮らしていた頃の民家もそのまま残っていて、無人の集落は時を止めたままひっそりとしています。

野崎集落イメージ。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産ガイドマップより引用

野首集落

野首集落では、潜伏キリシタンの信仰に基づく様々な行事が行われていた「潜伏キリシタンの指導者屋敷跡・初代野首教会堂跡」、野首集落をパノラマビューで楽しめる「野首集落跡ビューポイント」があります。
また、1908年に建てられた「旧野首教会」は、レンガ作りの赤茶の外壁、煉瓦造平屋の瓦葺き屋根、リブヴォールト天井が特徴の教会です。個人で見学する場合は、おぢかアイランドツーリズムへの事前連絡で内部が見学できます(9時~14時)。

野首集落イメージ。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産ガイドマップより引用野首集落には、文化遺産とは関係ありませんが、閉校になった小・中学校の木造校舎を再利用した「野崎島自然学塾村」もあります。ここでは、トイレや休憩スペースで休んだり、温水シャワーを浴びたりできます(日帰り利用1000円)。1泊3500円~で宿泊も可能ですが、食事は自炊となっています。

野崎島自然学塾村。おぢか島旅より引用

野崎島自然学塾村。おぢか島旅より引用

沖ノ神嶋神社

島の北部の見所は、潜伏キリシタンが氏子を装っていた「沖ノ神嶋神社」があります。神社の背後には古くから信仰を集める巨石「王位石(おえいし)」があります。

舟森集落跡

島の南部の見所は、潜伏キリシタンの集落跡「舟森集落跡」です。ここには、潜伏キリシタン共同体の指導者が住んでいた「潜伏キリシタンの指導者屋敷跡」、潜伏キリシタン特有の埋葬法で特定された「潜伏キリシタンの墓地」、1881年に教会堂が建立された跡地である「瀬戸脇教会跡」があります。舟森集落跡には、野崎集落のように建物は残っておらず、跡地だけを見る形になります。

舟森集落跡イメージ。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産ガイドマップより引用

ツアーに参加するか個人で回るか

野崎島での見学は、個人で行くかツアーに参加するかの2択を迫られます。

ツアー

まず、ツアーは定番の「五島列島キリシタン物語」ツアー(おぢかアイランドツーリズム協会企画実施)の出番です。
「五島列島キリシタン物語~野崎島編」では、10:50小値賀島出発で野崎島へ渡り、町文化財の神官屋敷や野崎集落跡散策、野崎島自然学塾村、旧野首教会、野首集落散策をして15:30着で小値賀港ターミナルに帰ってくるツアーです。料金は2980円でプラス船の往復代1000円がかかります。※五島市観光協会のツアー紹介ページには写真付きで「昼食は海鮮チラシ&魚のあらの吸い物(※写真はイメージです)」とありますが、現在催行中のツアーでは昼食は付きません、自分で持っていって、島で食べる形になります。

また、おぢかアイランドツーリズムが独自に開催している2つのツアーもあります。
1つ目は「沖ノ神嶋神社を巡る王位石(おえいし)トレッキング」。
これは、朝にはまゆうで野崎島に渡り、野崎港で8:00に集合、そこから片道2時間ほどのトレッキングをして「沖ノ神嶋神社」「王位石(おえいし)」を見学。引き返して13:00頃に野崎集落に戻り解散というものです。
神秘的な岩や信仰の拠点になった神社、そして島の自然を満喫できます。
戻ってきてから2時間弱あるので、野崎集落、野首集落のスポットも巡れます。
料金は1名9000円、2名以上1名5000円(自然学塾村休憩施設利用料込み、町営船はまゆう代1000円は別途)。
※このツアーは急な登りや下りが多く、距離も長いので、体力に自信がある方におすすめしているとのことです。

もう一つは、「舟森集落跡を巡る舟森トレッキング」です。
こちらは、朝に野崎港に着いたら野首集落に移動して、「野崎島自然学塾村」に8:30集合です。
そこからは、照葉樹の森を片道1時間40分ほどかけて歩き、「舟森集落」に着いたらガイドが舟森の歴史を詳しく説明してくれます。ガイドは野崎島全体の話も色々教えてくれるそうです。
そしてまた「野崎島自然学塾村」に戻り12:30頃には解散です。
注意事項としては、王位石トレッキングよりは急な登りは少なく歩きやすい道ですが、歩く距離は長く、普段から山歩きに歩きなれている方におすすめとのことです。
料金は1名7000円、2名以上1名4000円(自然学塾村休憩施設利用料込み、町営船はまゆう代1000円は別途)。

個人

個人で島に渡る場合は、8:00~15:10と約7時間の自由時間があります。
ただ、いかに健脚でも野崎港に着いて最北の「沖ノ神嶋神社」と最南の「舟森集落跡」の両方を見学するのは、かなりのハイペースでないと難しいでしょう。
また、野崎集落→「沖ノ神嶋神社」、野首集落→「舟森集落跡」の道にはイノシシが出没するそうで、遭難や大怪我の可能性があるため、おぢかアイランドツーリズムでは、「基本的に個人での立ち入りは控えて欲しい」とのことでした。

個人だと基本的に見られる場所は限定的で時間を持て余す、ツアーなら解説付きで色々見て回れる。これは野崎島もツアーのお世話になったほうが良さそうです。
ちなみに「沖ノ神嶋神社」エリアと「舟森集落跡」エリアの両方をツアーで見るなら、野崎島自然学塾村に1泊して、野崎島に2日かける必要があります。
「沖ノ神嶋神社」エリアと「舟森集落跡」エリア、どちらか一つを選ぶとするなら、世界遺産的には、より見所の多い「舟森集落跡を巡る舟森トレッキング」がオススメとなります。

1日かけて野崎島の観光を終えたら五島列島の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は終了です、この後本土に戻って資産巡り再開ですが、15:30着で小値賀島に戻っても今日はもう本土に行く船がないので小値賀で宿泊となります。

まとめ

無人島での見学は少し制約があって大変ですが、イノシシに遭遇して怪我でもしたらつまらないので、ツアー参加が良いと思います。
お昼ご飯は島で食べるので買っていくのを忘れずに。
夜は五島列島最後の日をゆったり過ごしましょう。

※この記事は実際に旅をしたものではなく、行くならどのルートで何日かかるか・費用はどれだけかかるかを調べたプランになります。