今日は、日本で初めて男子修道院として設立された、「当別トラピスト修道院 厳律シトー会・灯台の聖母修道院」に行きます。
この修道院の存在を知ったのは、函館の桜の名所を調べていた時に、「トラピスチヌ修道院」というところで“マリア像と桜”という神々しすぎる絵が撮れるということがわかった後でした。
トラピスチヌ修道院で調べていると、ちょくちょくちょっと名前が違う「トラピスト修道院」という別の修道院がひっかかり、なんだろうと調べてみると、女子禁制、見学は男子のみでしかも火曜日のみ、という一般人にとってなかなかハードルの高い施設だということがわかりました。
ちょうど函館に1週間いることだし、ここは見学するしかないと、申し込んだわけです。
この旅行記は2018年4月24日(火)のものです。
目次
トラピスト修道院に向かう公共交通機関はバスか電車
見学は火曜日の14時以降と決められています。そして「トラピスト修道院」は函館駅から25kmの場所にあるので、観光客は、レンタカーで行くか、バスもしくは電車となります。
旅感があるのはやはり電車だろうと、道南いさりび鉄道で函館から渡島当別(おしまとうべつ)駅まで行き、そこから歩いて修道院まで行くルートに決定しました。
朝、3泊したゲストハウスTune Hakodate Hostel & MusicBalを出て、今日宿泊する函館駅前のビジネスホテル「ホテルテトラ函館駅前」に荷物を預けに行きます。路面電車は目の前で発車しました、幸先悪ぃ…
函館駅で駅弁「鰊みがき弁当」を購入
時間には余裕あったので10時には荷物を預けて函館駅に到着。電車は、10:40函館発 – 11:24渡島当別着(740円)。約45分と少し短い電車旅ですが、盛り上げるために駅弁を買います。
選んだのは人気なんばーわんの鰊みがき弁当。880円だと思ってたら数ヶ月前に980円に値上げしたそうです、うん、なんかしゃくぜんとしないというかついてないというか。
あと駅弁て温められたほうが良いですよね、ご飯は温かいほうが絶対美味しいと思うんだけどな。
駅弁を購入した後は、先日函館駅に来たときは時間が早くてやっていなかった函館市観光案内所を見てみることに。こーゆーところのパンフとかで意外な新情報なんかが入ることがあるんですけど、今回は収穫なしでした。
駅のホームに入って電車に乗り込む
観光案内所した後、やたらと小さい道南いさりび鉄道の券売機できっぷを買い、ホームへ。
函館は電車のどん詰まりになっている終着駅で、全部の電車がここ止まり。ホームも櫛のように片方が全部つながっていて、そこから各ホームへと歩いていく形です。
道南いさりび鉄道のホームは一番手前でした、ついてる。
10時40分発の電車は10時25分の時点で既にホームに入線していました。9時56分函館着の電車がそのまま止まっていたんでしょうか。
電車は1両編成。車内は4人がけのボックスシート(固定式クロスシート)が12(4×12で48人)、それプラス、ロングシートという配置です。
ボックスって先に一人座っていると座りづらくないですか?既に12個のボックスの内9つぐらいは誰かしらいて、ぎり空いているのがあったので助かりました、これは今日ついてるか?。
45分間の電車旅、空は曇天と小雨、駅弁は美味い
電車は定刻に出発。最初は函館の市街を走ります。
早速お弁当を開けてぱくぱく食べながら、だんだんと、というかあっという間に北海道の大自然になる車窓を楽しみます。4月末でもちょいちょい雪残ってるし、やはりすごいな北海道。
やがて車窓は左手に函館湾が開けます。今日は曇天でもう最悪ですが、これ晴れてたら最高の景色だろなー 電車の窓ガラスにも「天気が良い日は函館山が見えます」とシールが貼ってあります。
がっつり雨が降っている時点で旅としてはいまいち、やはり今日はついてないですね。
渡島当別駅で2時間をどう過ごすかという課題
渡島当別駅到着、さて時間をどう潰すか・・・
11:24に電車は渡島当別駅に着きました。駅からトラピスト修道院の見学入り口までは約30分。今から行くと12時にはついてしまい、見学までの2時間なにしよう、となってしまいます。
なぜにこんな早くに着いているかというと、次の電車がこの駅に来るのは14:11。そうです、見学に間に合わないのです。次の電車が2時間47分後ってなかなかローカルですね。
まあ早く着いてしまうのは事前にわかっていたので、やることは決めていました。渡島当別駅でWi-Fi拾ってパソコン開いて仕事でもしようと思っていました。事前に自分の使っているモバイルルーター(WiMAX 2+)のエリアを調べておいたら、カバーされていたので安心していました。
しかし、駅でルーターをONにしてもずっとくるくる、くるくる回るばかりで電波拾ってくれません、やられましたエリア外です。
駅は集落の外れにあって、集落の方に500mぐらい歩いていったら電波入りました。でも雨の中、パソコン開ける場所がありません。雨さえ降っていなければ、どこでも作業できるのに…
まぁ仕方ないので、駅周辺の散策に切り替えます。
その前に渡島当別駅について。
ここ、駅員さんはいない無人駅にあたると思うのですが、郵便局が併設されてあって、人は常時いる感じです。そして教会を模した作りになっていて、ステンドグラスやイエス像、外にもマリア像なんかがあって、信仰を感じる作りです。
いもに情熱を捧げた男をテーマにした男爵資料館へ
まあこんなこともあろうかと、事前に調べた限りでは、駅の近くに元・男爵資料館の建物があるはずです、そこに行きます。
途中にある踏切、注意喚起の「とまれみよ」がイタリアのカンツォーネの「オーソレミーヨー」(本当はオー・ソレ・ミオ)みたいな響きで聞こえてきました。あれですかね、これから修道院に行くので、心がヨーロッパ風になっているのでしょうか。
男爵資料館は、男爵いもの生みの親である川田龍吉男爵の資料館。ただ、建物老朽化に伴う安全面・展示品の維持管理のために2014年3月から無期限休業となっています。
2018年4月現在でも再開はされておらず、系列のレストラン龍杉創も休業しているようです。
じゃがいもの博物館なんでめったにない、日本唯一でしょうか。
後で調べてみたらドイツに「じゃがいも博物館」ありました、あと日本では個人サイトで「ジャガイモ博物館」がありました、あるものですね、じゃがいも。
そんな珍しいじゃがいもの博物館、男爵資料館は再開したらぜひ行ってみたい場所の一つです。
男爵資料館の敷地をふらふらしていたら、強烈な挿し込み、やばいやつです、お腹下したみたいです、まさか昨日のやきとり弁当か?30分かかるというところを10分で出てきたのは生焼けだったか? いやちゃんと焼けてました、普通に美味しかったもの、単なる自身の不調でしょうか。
男爵資料館の敷地内には目の前にトイレ、助かった!鍵かかってる!!
一度、希望を見せられて、お尻ゆるむとやばいですよね、一気に来ます。
どうする、周囲には誰もいない、野●ソか、ありだな。
でも、目の前に駅方面へと抜けている地下道の入口が見えます。
文明のトンネルを抜け、なんとか人としての尊厳を保ちつつトイレに駆け込みたい、そう願いつつそろりそろりとトンネルを歩きました。
駅には駅舎の外に独立したトイレの建物があります。
お尻に力を入れながらなんとかたどり着き、ぼっとん便所に驚きと懐かしさと安堵を覚えながら用をたすことが出来ました、あぁ幸せってこのこと。
謎だったのは洗面所の水の出。センサーには数秒で水が出ますとありましたが、10秒ぐらい待って、ぽとりぽとりと水が落ちるだけでした、冬で凍結ならわかりますが、ここ水の元栓止めてるのでしょうか。
まあすっきりして心がおおらかになっているので、水が出ないぐらいでわーわー言うこともありません。時間は12時30分、これから申し込みのはがきに書いてあった待ち合わせ場所、トラピスト修道院の売店までは30分。13時着で、そこから修道院の裏手にある「ルルドの洞窟」に行って帰ってで1時間で戻ってきて、ちょうど見学開始の14時には売店で待機できるという寸法です。
ゆるい坂と長く長く長く続くポプラと杉の並木
トラピスト修道院は、敷地へとまっすぐに伸びる参道のような一本道がアクセスになっています。
ゆるい上り坂で、両サイドにはポプラと杉の並木がちょいちょい掛けたりしながらだいたい800mほど続いています。
そしてラストには坂は勾配を上げ、丘の上には十字架を掲げる建物が建つという、けっこうドラマチックな演出でトラピスト修道院は現れます。
売店に入って裏手の「ルルドの洞窟」までの所要時間を聞くと、「30分はかからないのでは」という返答。そして、見学予約のことを伝えると自分の名前が売店にも伝えられていて、14時にここでOKとのことでした。
所要時間と待ち合わせを確認できたので、安心して「ルルドの洞窟」へ。
修道院の裏手の山にあるルルドの洞窟へ
ちなみに「ルルドの洞窟」とは、フランスのルルドという場所で洞窟に聖母が現れたという奇蹟が元ネタです。聖母マリアであるその夫人は14歳の少女の前にしか現れなかったそうです、それって嘘つき少女じゃ…(現代的に言うと嘘松?)
そんで、なぜそのフランスの奇蹟の名前を関した「ルルドの洞窟」が北海道にあるのかというと、青森でキリストが亡くなった話とは、全く関係なく、長崎の教会に「ルルドの洞窟」のレプリカが作られ、それが日本全国のカトリック教会に広まったものです。
トラピスト修道院の「ルルドの洞窟」は、モルタルで固められた感じの人工感満載のものでした。展望台のようなスペースも有り、晴れていれば絶景だそうです。
時間つぶしの「ルルドの洞窟」参りを終え、売店に戻ります。そして、売店では衝撃の事実が、なんと、見学は売店待ち合わせではなく、直接修道院の入り口に行くべきだったそうです。
こっからまた坂を上って修道院の裏手(ルルドの洞窟へ行く途中まで)戻るのか・・・ 売店まで戻ったので20分のロス、というか徒歩の20分はしんどい、売店の人が「車出しますよ」と言うのを待ちましたが、そんな気配はまったくありません。神に仕える修道院の売店ならもっとこう神的な展開あってもいいんじゃないですかね。
全力で、車に乗せられましょうオーラを出しましたが、まったくそのようなそぶりはないので、渋々歩くことにしました、やはり今日はついてない日です。
いよいよ日本初の男子修道院の見学へ
見学口へ着くちょっと前に携帯電話に着信がありました。見学案内の担当者さんからの電話でした。手違いで遅れることを詫び、すぐに着くことを伝えました。てか、そっちの連絡ミスなんだから、まずは謝罪だろとちょっと怒りがこみ上げましたが、入り口に可愛い猫がいたので和らぎました、触ろうとしたら速攻逃げられたので、またふつふつと怒りゲージがアップしましたが。ちょっと情緒不安定ですね私、神様に慰めてもらいましょう。
そして、見学口に到着し、電話で連絡して案内係の登場です。
修道院て古めかしい暮らしをしていると思っていましたが、携帯使いこなすなんて普通じゃないですか。いきなり拍子抜けであります。
案内を担当してくださる方は、謝罪も何もありませんでしたが、物腰の柔らかい方。まあ売店のスタッフさんのほうが勘違いしたという部分が大きそうなので、そんなに怒ってもしょうがないです、そう、ここは聖母マリア様が見守る修道院、怒りはもってのほかです。
見学では、まず礼拝堂からスタート。修道士の方々は日に7回だか8回だが、仕事の合間を縫ってここに来て祈りを捧げるそうです。
この礼拝堂ではミサが行われ、外部の人もミサの日には普通に入ることができます。しかし、礼拝堂の扉を開けた先は「禁制」の場所、見学予約をした男性か、他の系列の修道院からやってくる修道士さん以外は入れません。
禁制といっても、入ったとたんに呪術っぽいとか、何やら強いオーラを感じるとかそんな中二病な展開はありません。普通の廊下です。
中では修道士たちの歴史や活動を紹介するパネルを見ながら説明が続き、講堂では質問タイムを設けてくださいました。
そこでは、一つ聞けば十返ってくる勢いで、しっかりとした説明が聞けました。普段、あまりべらべらと喋らない分、外部の人と話すと止まらなくなるのか、それとも担当の修道士さんが生来のおしゃべりなのかはわかりません。たぶん、40分ほどを質疑応答に費やしてくれました、本当にいろいろ聞けたので、その内容は別の記事でまとめます。
ちなみに帰りの電車は15:39渡島当別発です。話がながい、いや、貴重なお話をたくさんいただいたけれども帰りの電車の時間があるので、御いとまさせていただき、時間を見ると15時12分。ここから27分で駅まで、Google Mapでは徒歩32分と表示されているところをDASHで戻らなければいけません。なにせ15:39を逃すと次の電車は16:52と1時間以上の待ち時間になります。
幸運だったのは雨がやんでいたこと、これ降っていたら普通に諦めて16:52にしていました。なまじ走れる天候だったので、小走りでゆるい坂を一気に下り、なんとか15:38に渡島当別駅に着。ホームには雨を避ける屋根がないので、待っているお客さんはホームを結ぶ連絡階段で立って待っていました。てか意外と5人ぐらいここから乗車する人がいました。
※トラピスト修道院内部は写真撮影不可なので写真なしです
道南いさりび鉄道、JR北海道・函館本線と乗り継いて桔梗駅に向かう
帰りの電車も1両編成でしたが、行きに乗った電車と車内の配置が違いました。向かい合いのボックスシートが並び、端にロングシートが並ぶ構造は同じですが、片方のボックスシートが一人がけ×2という形なのです、車内には十分にスペースがあるように見えるのですが、なぜでしょう。そう言えば、以前、有田から伊万里に移動するときに乗った松浦鉄道も同じように2×2と1×1のボックスシートがありました、これはローカル線特有の形態なのでしょうか。
行きはずっと空席が目立つ車内でしたが、帰りは学校帰りの学生でいっぱい。立ちもたくさんでて、1両の車内はずっと賑やかでした。ちなみに、渡島当別駅では空席いっぱいあったので、帰りも座って行けました。途中、上磯駅付近からはWi-Fiルーターでインターネットも接続できたので、ノートパソコン出して仕事する余裕もありました。
さて、電車は五稜郭駅に到着。車内の運賃箱では1000円までしか両替できず、運転手兼車掌さんも両替には対応しておらず、駅で両替してとのことだったのでそのまま降車です。
そこから連絡橋を渡って、函館本線の上りホームへ移動です。ここでも、雨が降っているので、雨を気にせずにホームで待つ組と連絡橋の階段で待機組に分かれるというスタイルです。
やってきた電車は倍の2両編成。道南いさりび鉄道からの乗り換えの学生も多く、こちらも満席で立っている乗客多しでした。
桔梗駅からバスに乗って回転寿司の函太郎ジュニアサムズに向かう
五稜郭駅から一駅の桔梗駅に来たのは、「函太郎ジュニアサムズ」の最寄りバス停までのバスが出ているからです。小さくてすこし寂しい駅(でも有人駅だった)を降り、駅前を通る大通りから函館バスに乗り、バス停を降りて10分程歩いて「函太郎ジュニアサムズ」へ行きます。
「函太郎ジュニアサムズ」は函館で有名な回転寿司、函太郎グループ(大元は株式会社RDCホールディングス)の低価格路線のお店です。基本105円(税込み114円)~となっていて、あまり味にこだわらず安くいっぱい食べたいときには最適なお店です。
お寿司11皿とラーメンを食べましたが、お値段なりだったり意外と美味しいものがあったりとって感じです。
ラストは「函館健康センター湯都里」で温泉に入ってまったり
今日は、トラピスト修道院周辺で歩き回って、帰りは電車駆け込みで疲れました。なので予定通りではありますが、最後は温泉で締めます。
函太郎でビールを飲んで良い気分なので、歩くことにし「函館健康センター湯都里」まで徒歩30分です。
函館は車社会ですねー 道中、歩いている人が全然いません。
「函館健康センター湯都里」はなにやら巨大な鳥居が構える大きな施設。
宗教じみてたら嫌だな、という一抹の不安をいだきつつ、館内へ。館内は至って普通の温浴施設のそれでした。
お風呂は寝湯やジャグジー寝湯、超音波風呂、源泉かけ流し風呂、露天風呂などがあって、色々なお湯を楽しみながら疲れを取ることができます。
入浴後は1階の大広間で食事するもよし、2階のリラックススペースでリクライニングのイスでだらーっとするのも良いです。あと、24時間営業なので男女別の雑魚寝の大広間に泊まることもできます。
「函館健康センター湯都里」の後は、バスに乗って函館駅まで
複数のバスルートがあるので、あまり待たずにバスにのることができました。
ただ、バスの後部座席部分だけがなぜか照明真っ暗で不思議な雰囲気のバスでした。
宿は「ホテルテトラ函館駅前」。テレビの台が吊り下げ台という斬新なスタイル、おかげでテレビ下の空間が広い。あと、綺麗ではないが、函館の夜景の一部を見られる。あまり綺麗なビジネスホテルとは言えないですが、部屋にフリーで使えるスマートフォンを置いているというハイテク振りも見せてくれました。
部屋ではコンビニで買ってきたアイス食べて、ビール飲んで今日はおしまい。
4日目を終えての感想・まとめ
雨だったし、時間超あまったり、ギリギリだったりとついてない感のあった本日。
ただ、トラピスト修道院は、非常に面白かった。
見学という点では普通だけど、案内役の修道士さんとの話が面白い、時間さえあればもう1時間ぐらい話したかった、あとからアレきけば良かったっってことがいろいろ思い浮かぶ、非常に有意義な見学でした。
回転寿司はまあまあ。
そして湯都里は結構良かった。こんど函館に来るときは泊まりも検討してみよう。
さて、明日もまた雨の予報。とりあえず朝は平日の函館朝市を見に行って、それから4月28日で閉店してしまうという、老舗のラーメン店「星龍軒」に行って、あとは元町で行っていない物件を見て回ろうと思います。
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