柱状節理の岩肌を美しく落ちる肥前の三滝「白糸の滝・男滝・女滝」

傾斜地・丘陵・山間が多い東松浦半島の唐津市肥前町には、昔から肥前の三滝(肥前三滝)と呼ばれる滝があります。

3つは「白糸の滝・男滝・女滝」と呼ばれ、それぞれに美しい姿を見せるので、ここでご紹介します。

目次

姫が身を投げた神秘の伝説も残る「白糸の滝」

「白糸の滝」は、肥前町上ケ倉にある上ケ倉の棚田のそばにある滝です。落差24メートル、幅約12メートルで大小2筋の滝からなります。

滝が濡らす岩肌は、玄武岩の柱状節理で、かつてこの場所に噴火の溶岩が流れたことを物語っています。

また、滝の周囲には阿弥陀如来や菩薩などの白糸の滝十三仏が置かれ、この場所が信仰の場所となっていることが伺えます。実際、ここで滝に打たれる滝行を行う人もいるそうです。

ほかにも樹齢三百年の楓が自生していて、県の天然記念物に指定されています。この楓が色づく秋の紅葉は見事だそうです。滝の側には落ち葉をまとめるためか、ほうきとばけつが置かれていて、こんな人気のないところでも、ちゃんと手入れされていると感心しました。

この滝の名前の由来は、西国に出生した夫を慕うあまりに滝に身を投げて亡くなった白糸姫の伝説からです。

白糸姫が虹になったみたい

また、「おのつから 水のわくにや まかすらん くる人もなき 白糸の滝」という滝を詠んだ句も残っています。

⬛アクセス

国道204号で肥前町新木場から下っていくルートが分かりやすいです。Googleマップでも白糸の滝の場所は正確なので参照にしてください。

ホタルが舞うこともある幻想的な「男滝」(おだき)

肥前町納所にある「男滝」は近くにある「女滝」と対になっている滝です。

「白糸の滝」と同じように玄武岩の柱状節理を高さ20メートルの滝が落ちます。

また、ホタルの季節には、滝の周囲を淡い光が舞う光景が見られます。

そして冬には凍結することもあり、つららで覆われるという壮観な姿を見せてくれます。

ここも滝に向かって左手に仏像が立っています。「白糸の滝」はたくさんありましたが、ここには1体だけ、男だからって少ないのでしょうか。

↓男滝の動画です

⬛アクセス

男滝は県道317号から海へ向けて下っていくと道路沿いにあります。滝が作る川を渡る橋の目の前です。

ただ、ちょっとややこしいのが、GoogleMapが道路の位置を間違えているという点です。

滝の場所のマッピングはあっているのですが、道路の場所が本来と違う場所に記されているので、GoogleMapを見ていくと「道路から歩くのかな」と思ってしまいます。

実際は上記のように滝の目の前を道路が走っています。

納所住吉神社の奥にある「女滝」(めだき)

「男滝」から山一つ越えた先にあるのが「女滝」です。

こちらは落差は三滝のなかで最も小さく、柱状節理もあまり目立たない感じです。

女滝

それだけに他の2つと比べると繊細な感じがして、「女滝」というネーミングの妙に納得させられます。

滝に向かって左手には、岩棚を足場に複数の仏像が立っています。

仏像にはそれぞれ花が生けられていて、こんな来にくい場所でも大事にされていると感じさせられます。

↓女滝の動画です

⬛アクセス

女滝」は「男滝」からは直線距離で約430mですが、道が曲がりくねっているので、もう少し遠く感じます。

あと、ほとんどの人が道の北側からアクセスすることになると思いますが、途中、女滝へと下りる曲がり角は鋭角過ぎて普通車はそこでは曲がれないと思います。バックで下りるか、ちょっと先に行った森のなかにT字路があるので、そこでUターンしてから行って下さい。

小さな駐車スペースあり

まとめ

肥前の三滝はどれも柱状節理の岩壁を落ちる滝で、落差は大きくないですがなかなかに壮観です。唐津市肥前町というあまり観光がメジャーではないところにありますが、棚田の観光と一緒に行けば、なかなかに美しい自然の造形を楽しむことができます。