日本は3000ヶ所以上もの温泉地がある世界でも有数の温泉大国です。それだけ温泉があれば、猿だってカピバラだって温泉に入浴するのはなんだか当たり前に思えてしまいます。
ただ、よくニュース映像なんかで見かけるからどこでも見れそうな気がしますけど、温泉猿は長野県の地獄谷野猿公苑、カピバラは静岡の伊豆シャボテン動物公園など、ごく一部の施設だけの限定なんです。
函館にも、函館市熱帯植物園という温泉に入浴する猿がいるスポットがあります。地獄谷野猿公苑は長野の山奥でアクセスにけっこう難がありますが、函館市熱帯植物園は函館空港から車で約5分!ツアーなぞ組まなくても非常に気軽に見に行ける温泉猿なんです。
目次
一度に30~40頭が入浴する圧巻のサル山温泉
函館市熱帯植物園には約90頭のニホンザルがいますが、温泉に入浴しているのは30~40頭でした。これは、温泉に入る猿、温泉に入らない猿、その日の気温や温泉の温度によって入る入らない猿がいるためです。
私が撮影に行ったのは4月末でしたが、寒い季節の動画などを見ると50頭ぐらいが入浴していました。
深さは大人の腰ぐらいの岩風呂には温泉がかけ流しで流され、猿たちは好き勝手に至福の時を過ごしています。
さまざまな猿の入浴スタイル
・肩まで浸かってうっとり
温泉に肩まで浸かり、手は岩風呂の縁にかけるというスタイルが最も人間に近い感じでしょうか。目を瞑って瞑想みたいになっている猿や隣の猿とまるで世間話をしているかのような猿もいます。
・腕を伸ばしてぐったり
岩風呂のヘリに腕を伸ばしてぐでーんとしているのもよく見かけます。ちょっと熱いけど外に出たくないときとかこうするんですかね。
・毛づくろい(グルーミング)で仲良く
猿のコミュニケーション手法の一つ毛づくろい(グルーミング)も温泉に浸かりながらやります。毛づくろいはノミ・シラミ取りとかの衛生的な目的の他にも、愛情表現や社会的序列を決めるもの、科学的な話ではエンドルフィンやセロトニンが出るから多幸感を味わえるといった研究もあるそうです。
・片腕あげてトランス状態
ごく一部の猿だけでしたが、片腕あげて解脱してるんじゃないかってぐらい心ここにあらずな猿もいました。その場で悟りをひらいて人語を話し始めてもおかしくないぐらいの雰囲気でした。
子ザルの温泉ダイビング
函館市熱帯植物園の公式ホームページで紹介されていた温泉ダイブする子ザルサスケの動画です。ただ、大人になってからはダイブしていないという話も聞きました。人間と同じで子ザルならではの遊び入浴に注目するのも面白いかもしれません。サスケのほかにもダイブする猿はいるみたいですね。
サル山温泉が見られるシーズン
猿の温泉入浴は例年12月1日から翌年の5月6日までです。夏場は水が張られプール状態だった岩風呂に温泉が張られると、猿たちは手で湯加減を確認してから嬉しそうに入浴するそうです、温度が気に入らないと入浴しない猿もいるとか、ほんと人間と似ていますね。
雪の中入浴する猿が見れたり、ゴールデンウィークでも温泉猿が見られるのは嬉しいスケジュールですね。2019年は特にGWが10連休になるので、多くの人で賑わうことが予想されます。
なお、地獄谷野猿公苑の温泉は常時猿に開放されていますが、気候が温暖な時期には温泉に積極的に入ろうとはしないそうです。やっぱり温泉猿は冬に限りますね、外国人にもsnow monkey(スノーモンキー)として有名だそうです。
サル山温泉の泉質は
園内には足湯があり、そこにはちゃんと温泉分析書が掲げられてありました。泉質は湯の川温泉の代表的な泉質であるナトリウム-塩化物泉。人間の場合の適応症は神経痛とか関節痛、冷え性、きりきずなどですが、猿にも人間と同じ効能があると良いですね。
毛が抜ける独特の症状
猿を見ているとすぐに毛が抜け落ちてしまっている猿が多いことに気が付きます。これは、温泉に浸かるのが大好きな猿ほど冬毛が抜けやすいとのことで、GWに温泉が終了してしばらくすると毛が生え始めるそうです。環境に適応するってことですね、ダーウィンさんに聞かせたら進化論の一部に加えてくれるかもです。
写真撮影に適したシーズン・時間
寒すぎると湯気がもうもうとあがってしまい、あまり猿の表情をうまく撮れないかもです。ほんのりと湯気があがって温泉感があり、それでいて猿の表情もばっちり撮りたいなら3月ぐらいが良いかもです。4月になると気温が上がり始めて湯気はほとんど上がらなくなるそうです。
冬の動画
あと、猿が一番入浴している時間は開園と同時が多いそうです。朝の寒い時間から入浴し、満足した猿は温泉から上がり、サル山のヘリの日なたでゴロゴロしていました。やっぱり入浴後すぐは湯冷めして風邪引きやすいんですかね、暖かい地面にベタッと体をくっつけて微動だにしない子もいました。
また、4月末の撮影時の情報ですが、10時30分ごろから太陽の影がサル山温泉にかかるようになります。全体を綺麗に撮りたいなら、やはり開園の9時30分に行くのがベストです。
ちょっとしたイベント餌やりも人気
入り口の窓口で餌100円を買うことができます。餌を持って手すりに立つと、目ざとい猿が見つけてキャッキャと騒ぎます。そして、立ち上がって手を叩いておねだりするものがいたり、中にはバク宙を見せて餌を欲しがる子もいるそうです。
餌はモンキービットというクッキーみたいなもので、一袋に30個ぐらい入っていたので、かなり楽しめます。
園としての公式の餌やりは開演前の午前9時と15時なので、15時なら一般のお客さんも餌を食べる猿たちの様子が見られます。
サル山温泉以外の園内施設
・温室
園内の中央にはガラス張りの大きな温室があります。温室には温泉がひかれ、中にはいるとむあっとした空気が漂います。寒い外から中に入ると、カメラのレンズ、一瞬で曇ります。
中には熱帯・亜熱帯で育つ300種・約3,000本の植物が植生されています。美しいブーゲンビリアやハイビスカス、いかにも熱帯なバナナやゴムの木、多肉植物、数十年に一度しか花を咲かせないリュウゼツランなどが見られます。
また、池にはコイや金魚、カメが泳ぎ、インコもいます。
・水の広場・遊具・バッテリーカー
子供の遊び場も揃っています。水の広場には5月~10月まで水が張られ、子どもたちの格好の遊び場になっています。また、遊具やバッテリーカーで遊ぶこともできます。
施設データ
アクセス
函館空港から
・車で約5分
・函館バス100系統や函館帝産バスシャトルバスで約15分
函館駅から
・車で約15~20分
・函館バス6系統や96系統などで約25分
電話:0138-57-7833
営業時間
9時30分~16時30分(4~10月は~18時)
休園日
12月29日~1月1日
入園料
一般100円
駐車場
無料
最近のコメント