函館で温泉と言えば、函館市電(路面電車)の終点であり函館駅から直線距離で約5km、函館空港から同約2.5kmの場所にある湯の川温泉です。真偽は定かではありませんが、函館湯の川温泉旅館協同組合のホームページでは「日本一空港に近い温泉街」とうたっています。
また、ここは登別温泉(のぼりべつおんせん)や定山渓温泉(じょうざんけいおんせん)と共に北海道三大温泉郷に数えられる名湯です。ホテル・旅館の数は函館湯の川温泉旅館協同組合に加入しているもので20軒を数えます。
私は函館観光の時に2軒の宿・ホテルに泊まり、そのほか足湯や銭湯、ゆかりの地、周辺観光スポットなどを見てきたので、湯の川温泉の全体紹介として記事にしました。
目次
湯の川温泉とは、その歴史
湯の川温泉の歴史で最も古く伝えられているものは15世紀のきこりが発見して傷を癒やしたというもの。その後も、松前藩当主の幼少期の病気を回復するなど、地域に大事にされてきた温泉です。
湯の川の語源は、アイヌ語の「ユ(湯)+ペツ(川)」から名付けられたというのが定説で、和人だけではなく、アイヌの人々もお湯に浸かっていたことが想像できます。
温泉の泉質や効能
泉質はナトリウム-塩化物泉(中性等張性高温泉※旧泉質名・食塩泉)とナトリウム・カルシウム-塩化物泉(旧泉質名・食塩泉)の2種類があり、無色透明です。
特徴としてはしっとりとした肌触りで、ナトリウム-塩化物泉は神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・疲労回復・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・健康増進・虚弱児童・慢性皮膚病・慢性婦人病・きりきず・やけどに効能があるとされます。
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉の対象適応症は神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・慢性皮膚病・疲労回復・冷え性・切り傷・やけどなどに効果があるとされます。
宿泊した宿紹介
ホテル万惣
万惣は宿泊サイトのランキング上位に評価され、アワードで表彰されたこともある名ホテルです。
温泉は、男女別の大浴場があり、それぞれに露天風呂、内風呂、サウナがあり、浴槽の種類が豊富、そして広さもゆったり、アメニティも充実と文句なしのお風呂です。
また、カニやウニ、お刺身、鉄板焼き、寿司、五島軒のカレー、カール・レイモンのソーセージ、デザートなど100種類近くの夕食ビュッフェ、イクラ食べ放題の勝手丼や朝ラーメンなどが揃う朝食バイキングでも有名です。
ホテル万惣の詳細は以下の記事からどうぞ
ホテル雨宮館
路面電車が通る大通り沿いにある古びた外観のホテルです。
温泉は、岩風呂2つに水風呂が1つの大浴場です。残念ながら露天風呂はありませんが、カプセルタイプなら1000円台で泊まれる低価格が魅力です。
しかもその価格ながら朝食バイキングも付いてくるので、お得さを求めるならこちらが断然オススメになります。
ホテル雨宮館の詳細は以下の記事からどうぞ
●そのほかのおすすめ人気ホテル
露天風呂付客室数115室の湯の川プリンスホテル渚亭
こちらは全186室のうち、半数以上の115室が露天風呂付客室の大型ホテルです。海に面した立地で、客室の露天風呂から函館山を眺めたり、朝日や夕日を堪能できる眺望抜群のホテルです。
温泉は、客室露天風呂のほかにも、大浴場があり、ナトリウム・カルシウム塩化物泉の源泉が加水、加温等なしのかけ流しで楽しめます。
夕食は和洋中さまざまな料理が約50種類揃うえたビュッフェスタイル。地元函館の新鮮な山海の幸がメインです。朝食もレストランでの和洋ビュッフェがいただけます。
日帰り入浴ならどこいく?
私が泊まったホテルでは日帰り入浴も受け付けていました。
雨宮館は400円とホテルの日帰りでは最安、そして万惣は1,230円と最高値。どちらも値段に見合った温泉が楽しめます。お風呂の詳細については、上記の詳細記事から確認してください。
ホテル雨宮館
入浴時間6:00〜23:00 入浴料400円
TEL.0138-59-1515
ホテル万惣
入浴時間12:00〜22:00(21:00最終受付) 入浴料1,230円
TEL.0138-57-5061
そのほかの日帰り入浴が可能なホテル・旅館では以下の施設が気になります。
屋上露天風呂が魅力の「湯元啄木亭」
温泉は、空中露天風呂いさりび、空中大浴殿雲海が利用できます。宿の最上階11階にある温浴施設は函館山や函館市街を見下ろす眺望が抜群です。夜は、海でゆらめく漁火も幻想的です。
入浴時間13:00~21:00 入浴料800円(毎月26日の啄木亭風呂の日は500円)
レンタルバスタオル・タオル 200円
TEL.0138-59-5355
5つの浴槽で津軽海峡を一望できる「湯の浜ホテル」
大浴場には杉風呂・岩風呂・バイブラバス・寝風呂・通常浴槽の5つの浴槽を揃え、大きなガラス張りの窓からは津軽海峡の絶景を望みます。
また、大浴場からは独立している露天風呂のしおさい漁火露天風呂(新撰組の湯)は、木組みの温泉で開放的な湯に浸かれます。
入浴時間13:00~20:00(露天風呂は14:00~) 入浴料1,000円
TEL.0138-59-2231
小さな宿の広々とした大浴場「笑函館屋」
宿自体は26室のこぢんまりとしたサイズですが、大浴場のタイル浴場、岩浴場は広々としてゆったり足をのばしてくつろげます。それぞれ露天風呂が付きますが、サイズは少し小さめです。
入浴時間15:00~22:00 入浴料600円
TEL.0138-36-2000
岩盤浴もある「ホテルかもめ館」
遠赤外線を発するブラックシリカを全面に敷き詰めた岩盤浴が楽しめます。その他、内湯は男女1つずつで、サイズは小さめです。
入浴時間5:30~9:30・13:00~24:00 入浴料650円(岩盤浴は1300円)
TEL.0138-59-2020
路面電車を見ながら足湯でほっこりできる「湯の川温泉足湯 湯巡り舞台」
函館市電(路面電車)が走る通り沿いにあるのが湯の川温泉足湯 湯巡り舞台です。一度に10人以上は利用できる足湯で、無料で使えます。
入浴時間は9:00〜21:00です。
昔ながらの風情が素敵な「温泉銭湯」
湯の川温泉には銭湯があります。かつては多かった銭湯も1軒がのれんをしまい、また1軒が閉店と減ってしまいましたが、今も地元の人や温泉好きに支持される素敵な銭湯が残っています。
低温でも44~45度、さらに中温、高温もある「永寿湯温泉」
温泉好きにはかなり有名な高温のかけ流し湯が楽しめる銭湯。3つある浴槽は、施設側の設定は低温ですら約44度と高めなのに、中温は46度、高温は47度です。
しかし、温泉マニアが温度計で計ったところ、中温は48~50度ですでにかなりの高温、高温は53~54度あり超高温といっていい温度。高温に入ったらかなり危険です。それでも敷地の真横のポンプから湧出する新鮮でピュアな源泉を求め、多くのお客さんで賑わっています。
入浴時間6:00~22:00 入浴料金420円 休日:無休
お猿さんが浸かっているのと同じ湯に入れる「大盛湯」(たいせいゆ)
こちらも湯船が3つで、おおむね約46度、44度、42度に調節されたお湯が楽しめます。「永寿湯温泉」ほどではありませんが、日によっては最高温度50度弱になることも。熱いお湯が苦手な自分は一番低温でも少し熱かったです。
源泉はお猿さんが温泉に入る熱帯植物園に隣接する温泉井戸から引いています。
入浴時間8:00~21:30 入浴料金440円 休日:第1・3・5水曜
猿も温泉に浸かる函館市熱帯植物園
例年12月1日~5月6日の約半年間、湯の川温泉を注いだ岩風呂で猿が入浴する姿が見られます。寒い中、うっとりとした表情を浮かべながら温泉に浸かる猿や、お風呂の中で仲良く毛づくろいする姿を見るのは最高に可愛いです。
函館市熱帯植物園は詳しく記事にまとめたので以下からどうぞ
湯の川温泉の鎮守「湯倉神社」
湯の川温泉が見つかった発祥の地であり、鎮守として祀られているのが湯倉神社です。神社内に温泉はありませんが、温泉街の散策途中に立ち寄るスポットとして人気です。社務所ではユニークな1杯300円のイカすおみくじなどもあり、旅のネタとしても優秀です。
湯の川温泉最大のイベント「花火大会」
毎年、旧盆(八月盆)明けに行わる花火大会です(2019年は8月17日土曜予定)。松倉川の下流付近から盛大に花火が打ち上げられ、宿・ホテルによっては客室や温泉から花火を見ることもできます。
なお、客室、温泉から花火が見える宿を函館湯の川温泉旅館協同組合さんに聞いた見たら、公式でどこどこの宿が見えるよと紹介するのははばかられたのか、打ち上げ場所を教えてくれました。
海沿いで打ち上げられるので、海に向かって開けた客室のある宿(湯の川プリンスホテル渚亭など)なら、客室やお風呂から花火を見ることができそうです。
公式のご当地キャラクター「ゆのっ子ちかつまる(千勝丸)・ゆのッキー」
湯の川温泉にはちゃんとご当地キャラクターが存在します。一人目は、湯の川温泉の歴史で少し触れた、幼少期の重病を湯の川温泉で治した松前藩当主九代・高広(幼名千勝丸)にちなんだ「ゆのっ子ちかつまる(千勝丸)」です。
もう一人?は、函館市熱帯植物園の温泉に浸かる猿から「ゆのッキー」。ちかつまるとは友達で、とぼけた表情が良いです。
まとめ
湯の川温泉は、だいたい東西1km、南北800mぐらいのコンパクトなエリアに湯量豊富な温泉が湧き、宿が20軒ほど建ち、宿泊、日帰り温泉、足湯で温泉を楽しめる温泉街です。
見どころには、猿が温泉に入浴する函館市熱帯植物園や湯倉神社があり、少し足を伸ばせばトラピスチヌ修道院や五稜郭、函館市街、函館朝市、元町、函館山などもあり、観光の拠点にもなる理想的な温泉地です。
函館空港からも至近なのでアクセスも抜群。函館観光の際には湯の川温泉に行って、温泉と観光をワンセットで楽しんでください。
最近のコメント