踊り子号で行く伊豆下田の旅(2日目下田~西伊豆~中伊豆編)

中学時代の同級生達と行く初めての旅行も二日目を迎えた。

前日に歩いた下田は、40代のおじさんである我々と同じぐらいくたびれていて、なんだか親近感さえもったものだ。

 

そして起きてみると前日の小雨はあがっていて、曇り空だが雨は降らなそうな雰囲気。

テンション高く、朝風呂につかりに行って、下田の朝が始まる。

二日目のドライブルート

※この旅行記は2017年4月8日・9日のものです。

目次

朝風呂と朝食を頂いてから下田を後にする

朝は目を覚ますために温泉へ。

大浴場の入り口前のホールでは、カウンターを出して、あら汁のサービスが行われていた。

昨日の「徳造丸」のあら汁の美味しさには及ばないが、これもなかなか美味しい。

それを目当てかどうかはわからないが、朝の6時台なのに何人もの宿泊客がお風呂に足を運んでいた。

おばあちゃんがあら汁をよそってくれる

下田湾を眺めながらの入浴(黒船ホテルホームページより)

そして、朝食バイキングでは、その場で作ってくれる玉子焼きや干物、小鉢、あおさの味噌汁など数十種類が揃い、かなり満足。

いろいろと盛り付けてみた

ちらっと「富士屋ホテル」の廃墟を覗いてからレンタカー屋へ

黒船ホテルのお隣には、廃業して何年も経つ「富士屋ホテル」の廃墟がある。

 

エントランスドアは少し開いていて、なかを伺うことができるのだが、久しく人が使っていない場所特有の据えた匂いと、かつて賑わっていただろうロビーに全く人気がないという、不気味さが際立っていた。

朽ち果て感のある外観

国道に面したここは、廃墟好きには有名な場所らしく、ネットでは探検記もたくさんあがっていて、入らなくても中の様子が想像できるのも面白い。

 

また、ご当地アニメの「夏色キセキ」では、幽霊ホテルとして作中にも登場しているようです。

エントランス入り口には誰かが移動したであろう日本人形が

ニコニコレンタカーで安くレンタル

さて、廃墟見学は入り口からだけにして、今日のレンタカー屋へGO。

 

今回車を借りたのは、新興のレンタカーチェーン「ニコニコレンタカー」。

12時間2525円~の最低価格をうたっている激安の価格設定で、ホームページでも「格安レンタカー革命」と大きく安さをアピールしている。

自分たちが利用したのはガソリンスタンドが運営する「ニコニコレンタカー下田駅前店」

利用できる車はニコニコレンタカー基準のSクラスのみでマーチが12時間2525円+免責保証料1080円の3605円で借りられた。

格安でも変な所はなく至って普通の車だった

車で一路松崎町へ

すんなりと車の貸出手続きを終えて、二日目最初の目的地である静岡県松崎町へ。

最初は国道414号に添って北上し、あとは県道15号で山の中を西進するルート。

 

天気は良くなったと思ったら時折小雨が降るという感じ、誰だ雨男は。

 

やがて桜並木が見えてきた。

那賀川に添って河口から大沢温泉までの約6kmに渡り、1200本もの桜が咲く名所だ。

桜が道標になっているような並木道

例年の満開の見頃は3月下旬~4月上旬となっているが、2017年は少し遅く、ちょうど満開といった感じだった。

江戸城の石垣に使う石を切り出した石切場「室岩洞」(むろいわどう)

桜並木は最初スルーして目的の「室岩洞」へ。

ここは、室町時代から凝灰岩を切り出していた場所で、江戸時代には江戸城の石垣の石も、ここから運ばれた。

 

アクセスするには、5台ほどの小さな駐車場に車を止め、細い道を2~3分下れば入り口に着く。

石を削り出した跡がそのまま残る

洞窟内は8時30分~17時まで照明があるので、手堀りのノミの跡、地下水の溜まった石室跡などを見学することができる。

天井が低い坑道

松崎町名物の桜並木と花畑を見学

「室岩洞」の後は先程通ってきた桜並木へと戻る。

 

桜の時期には「田んぼを使った花畑」も作られ、カラフルな花の絨毯とピンクの桜の連なりという美しい風景が見られる。見られるはずだったが、田んぼの花は寒さからか満開には遠く、時折小雨の降る曇天では、桜もどこか寂しげで、ちょっと残念風景になっていた。

花畑の花は寒さに震えて咲いてはくれなかった

我々が行った翌日、4月10日の様子(松崎町観光協会HPより)

1日違うだけでかなり咲き方が違う…

松崎町の後は国道136号を通って中伊豆へ

思っていた花・桜の風景が見られずに少し意気消沈しつつ、次の目的地である中伊豆へ。

 

国道136号は西伊豆の海沿いを走り、途中では干潮時のみ陸続きとなる「トンボロ」現象が起きる三四郎島(伝兵衛島・中ノ島・沖ノ瀬島・高島)が見えたり、駿河湾の眺望が望めたり、伊豆の豊かな森の中を走ったりと、なかなか良いドライブコースになっている。

ちらりと見えた三四郎島

友人たっての希望で訪れた「伊豆極楽苑」

今回の伊豆下田旅行が決まってから、友人が絶対行きたい場所として上げてきたのが「伊豆極楽苑」。

外観

どうやら、熱海秘宝館のようなB級スポットらしく、そーゆーのが好きな友人はここさえ行ければ後はどこでもOK的な感じらしい。

 

場所は伊豆の真ん中を占める伊豆市のさらにど真ん中といった感じの山の中。

 

秘宝館みたく、下らなくて面白いエログッズがいっぱいあるのかと思っていたら、死後の世界をジオラマで展示する「地獄極楽めぐり」がかなり面白くて、地獄について知らないこともいっぱいあって、かなり満足の展示だった。

ここは三途の川

一方18歳以上のみという「秘宝展」はかなりスケールが小さくで、こちらはがっかりスポットとして相応しい?できだった。

生わさびや山菜、とろろなどでそばを7種類の味で楽しむ「禅風亭なゝ番」で昼食

地獄を満喫した後は、ランチのために修善寺へ移動。

お店は伊豆極楽苑とは別の友人が希望した「禅風亭なゝ番」へ。

古民家風の建物。店内の天井には太い梁が通り、つるし雛などもあって風情満点

注文したのは、とろろそばとざるそばのセットである「禅寺そば」1260円。

 

このお蕎麦、薬味に自分で摺り下ろせる生ワサビ、大根おろし、刻み青ネギ、刻みミョウガが付き、山菜と自分で擦れるゴマも付くので、一膳で7種類の味が楽しめるかなりお得なセット。

 

ツルリとした蕎麦といろいろな味にかなり満足して、思わずせいろ追加360円も食べてしまった。

満足度がかなり高いそば

中伊豆から下田までの間でどこを観光するかで迷うことに

さて、帰りの下田発の電車は16時50分で、食事が終わったのが14時ちょっと前。

中伊豆から下田までは車で約1時間なので、時間的にどこか一箇所寄れる余裕ができた。

 

ここは事前の打ち合わせで、食事が終わった時の時間で決めようとしていたのだが、「天城いのしし村に行こう! いやもう閉園しているみたいだ…」「んじゃー浄蓮の滝とか河津七滝でも見る?うーん滝はちょっと…」「どこかで立ち寄り湯でも行く?いやー温泉はもう満足」などとなかなか決まらない。

 

そこで、修善寺から下田へ直接行く国道414号のルートではなく、修善寺から東へ行った伊東エリアに目を向けて、キレイなお椀型が特徴の「大室山」に行くこととなった。

「大室山」はすっぽりと霧に覆われていた

修善寺からはうねうねと曲がる林道を通って、30分ほどで「大室山」へ到着。

ここは約4000年前に噴火した、標高580mのキレイな円錐台の火山。

 

広報写真やホームページなどでは、上空から撮影された、緑に覆われてお椀をひっくり返したような整った形が見られるが、当日は7~8合目あたりからガスが立ち込め、まったく眺望が望めない状態だった。

 

チケット売り場でも「山頂から何も見えませんがよろしいですか?」と丁寧に注意をいただいたが、せっかく観光旅行に来ているのだし、まあいいかと登ってみることに。

登ると行っても、ここは徒歩での登山はできず、有料リフト一択となっている。

500円の往復チケットを買っていざ山頂へ

たった6分のリフトにのっただけで、山頂は霧に覆われた幻想の世界だった。

 

山頂のカルデラの縁は舗装道路で歩くのには不自由しないが、数十メートルしか視界がないので、なかなか神秘的。

山頂にいたのも我々を含めて3組だけで、売店のおばちゃんも「ここまで視界が悪いのはなかなかないから逆に貴重かもね」とおっしゃっていた。

さっき「伊豆極楽苑」に行ってきたからだろうか、なんか死後の世界のようにも思える

天気が良い時はこの通り(伊東観光協会ホームページより)

大室山から下田までの国道135号は海の眺望が良し

15時30分ぐらいには「大室山」を後にして、国道135号(東伊豆道路)を南下して下田駅へ。

道は伊豆急行線と平行しており、これから数時間後には電車で北上するルートを車で南下するという形になった。

結局空は二日間とも終始機嫌悪しだった

海の中に突き出ている稲取は「伊豆のアマルフィ」とか「相模湾の真珠」とか名乗ってもいいと思う

レンタカーを返してお土産を買って踊り子へ

大室山から下田までは約50分かかり、16時20分ぐらいには「ニコニコレンタカー下田駅前店」で車を返却することができた。

 

その後は、駅の構内や「徳造丸・海鮮家」で金目鯛漁師煮や金目鯛の干物などのお土産を吟味して踊り子の時間を待った。

下田の土産は金目鯛がイチオシ

駅舎のそばにある足湯「開国の湯」でまったりしようかとも思ったが、お湯がぬるすぎてやめた。ここのお湯は前日もぬるかったから終始温度が低いのだろう。

せっかく施設を作っても持ち腐れになる、だめな観光地のだめな施策の代表的な施設で悲しくなる。

3~4人ほどが利用できそうな「開国の湯」。温かいお湯が欲しいです

踊り子に乗って東京への帰路につく

伊豆急下田駅は、電車の発車の直前じゃないと改札しないシステム。

16時50分発の特急踊り子118号の改札は16時40分ぐらいに始まった

そして、改札前にある売店では突然駅弁の半額セールが始まった。

店員さんの「駅弁半額でーす」とのコールに、我々は飛びつき、金目鯛が入った駅弁をゲットするのだった。

 

この半額セールがいつもやるかどうかはわからないが、当日は東京行きの特急が踊り子118号で最後だったので、駅弁を買う人ももういないだろうし、売店の閉店時間も迫っていたのかもしれない。とにかくラッキーだった。

駅弁旨し

最後は疲れからぐーぐーと寝ながら東京へ

電車旅は好きな時に酒を飲んで、好きな時に寝られるのが良い。

 

伊豆下田と西伊豆、中伊豆の旅は、天気が悪くてもそれぞれに魅力的な場所を訪れることができ、少々寂れているのがもったいないぐらい良い観光地だと大満足で旅を終えることができた。

東京から近場で1泊を考えていて、まったりとか、のんびりを考えているなら、下田は良い温泉地としてオススメができる場所です。